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プレッシャー〜4〜 ページ15

「サボっとるんか?そないなんじゃ、一緒に練習はまだまだ出来ヘんなぁ」


ドアが開き、関西弁の男が話掛けてきた。

泣いていた事を悟られまいと、顔にかけていたタオルを押し付け涙を拭いてから声のする方を見た。

目が合った。


「え?ちょ…どうしたん?自分、泣いとるやん。」
まさかの展開に驚いて目を丸くする関西弁男。

どうやら、ギュッとタオルを押し付けた程度では
隠せないほど、泣いていたようだ。

それでも必死に
「泣いてないです。汗です。」と強がった。


「いやまぁどーでもえぇねんけどな、
さっきっからずーっと同じとこばっか踊っては「納得できひん。」みたいに首かしげて、終いには寝っ転がって動かなくなってもうたから」


「……。」

私の強がりをどうでもいいと言って
こっちの事なんてお構いなしに
関西弁男は尚も話を続ける。


「なんて言うか…その…
教えたろかな?思ってドア開けたんや。
練習の邪魔なん帰るけど。俺も暇やないし。」


出口の見えないトンネルに少し光が差し込んだようだった。
私の強がりをどうでもいいと言った事はダンスを教えてくれる事で許してあげよう。

「教えてくださいっ!おねがいします!」

すると関西弁男は、ニコッと笑って
「ええで」と言ってさっそく教えようとしてくれる。
だが、名前がわからない。「一緒に練習出来ない」とか言っていたのでAAAの人なんだろうけど、それすら定かではない。正直、数時間前に会っているが、緊張で全くメンバーの顔を見れなかったし、私のみの一方的な自己紹介だったので、まだメンバーの名前と顔が一致しない。

「あ、あの…失礼なんですけど、お名前を聞いてなくて」


「あ、俺?與 真司郎。」

「あたえ…くん」

「同い年やし、真司郎で構へんで。
俺はAって呼ぶわ」

「じゃぁ、真司郎くん…、よろしくお願いします」

ようやく関西弁男の名前を知る事が出来た。

真司郎は最初こそ、ちょっと嫌なヤツかと思ったが、やはり同い年ということもありダンスの練習を通してすぐに打ち解けられ仲良くなれた。


「A、だいぶ良くなったで!」

「真司郎くんのおかげだよ!本当ありがとう!」

真司郎のアドバイスのおかげでかなり改善された。
初めて心の底から踊る事が楽しいと思えた不思議な時間だった。

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作者名:憂〜Ui〜 | 作成日時:2017年9月19日 0時

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