きみと【skt】 (ページ6)

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坂田くんと再開してから、いつの間にか１ヶ月が経っていた。
長い時間を坂田くんと過ごして、気がついたことがある。

もしかして、もしかしたら、坂田くんは私の事が好きなんじゃないか。
いや、勘違いかもしれないけれど、でも、私と話す時はいつも優しいし、歩幅を合わせてくれるし、まるで彼氏みたいな事をしてくれる。
その度にドキドキして、顔が赤くなる。

そして、私は、少しだけ勇気を出してみようと思う。
坂田くんに告白しよう。もしも私のことが好きじゃなくても、坂田くんは優しいから、酷い振り方はしないだろう。というか、同情で付き合ってくれるかもしれない。
そんな淡い期待を抱きながら、教室のドアを開けて、席に着いた。
いつもの様に坂田くんと話すけれど、いつ呼び出そうと考えてしまって頭が回らない。

「A？」
「へ、なぁに、」
「今日どうしたん？なんかおかしくない？」
「おかしくないよ、いつも通り」
「そうなん？体調悪いとかやない？」
「うん、平気！」
「ほんま？...無理せんといてね、心配やから」
「う、うん...」

優しい坂田くん。多分付き合ったらもっと優しいんだろうな。
毎日電話してくれたり、デートの時にはエスコートしてくれたり、車道を歩いてくれたり、...そう、スパダリみたいな。
もしも坂田くんと付き合えたら、手繋いだり、ハグしたり、キスしたり、その先まで...、

「Aー？」
「あ、」
「ほんとに大丈夫なん？」
「大丈夫だよ、ほんとに！」

そんなことを話していたらチャイムが鳴って、朝のHRが始まった。
今日は坂田くんは部活がない日。それは調査済みだ。昨日のうちにLINEで一緒に帰る約束まで取り付けた。
最近は昼休みも一緒にお弁当を食べているから、言うタイミングはいつでもある。

「坂田くん、今日＿＿＿」
「A、今日一緒に帰れんわ、ごめんな」
「あ、うん...、」
「ごめんなぁ、先生に呼ばれてん」
「そうなんだ、じゃあ仕方ないね、」
「何か大事な用でもあったん？」
「う、ううん、なんでもないよ、」

流石に、みんながいる教室で告白するのは勇気がいるから、2人きりになった時にと思ったけれど、生憎そんな機会は無さそうだった。今日は諦めて、他の日にしようかな。
坂田くんとお昼ご飯を一緒に食べられるだけで、それだけでいいや。ふふん、坂田くんに憧れてるだけの周りの女の子たちとは違うもんね。