第3話 ページ3
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そもそも恋愛モノに出演自体初めてなんです。
だって私ずっと男装少女でしたから。
「舞台でも少年役ばっかりだったの。だから私にとっては初の試みっていうのが謳い文句ってとこなの」
「ほーん?だから続編かつ恋愛モノってわけね」
「そうだってさっきから言っ、て……は!?」
目の前には碓氷くん。
声が聞こえたのは後ろ。
……え?これヤバいやつ?
碓氷君も見えてたら言おうよ君本当に監督の話する時以外は死んでるよね?(暴言)
後ろから現れたのはニヤニヤしたワンレンヤンキーとピンクのお兄さん。……いやどういう組み合わせ?!
そして声の主はワンレンの方。
ムカつくことに顔はいい。顔は。
「まさか幻の芸能人に会えるとはな…いつの間にゲットしてたんだよ真澄」
「人のこと某モンスターみたいに言うのやめてもらっていいですか」
「真澄君、教室にいないから探しに来たんだよ」
「お兄さんスルーなの?」
「…そんなんじゃない。俺は監督にゲットされてるから」
「碓氷くん説明して?!」
碓氷くんの知り合いだと思われる2人組。
…あ、もしかしたら劇団の人かな。
天馬が劇団に入ったのは噂で知っていたけれど、その舞台を見に行ったことは無い。
……べ、別に天馬に会うのが気まづいとかそういうのじゃないんだからね!?
私を置いてけぼりに勝手に話が進んでいる3人。
これまた随分と系統の違う3人である。
てか碓氷くん私以外に話せる人いたのね(失礼)。
「あー、あのドラマね。俺も見てたわ。ま、俺は1話で涼が女だって分かってたけどな」
「えーーうざーーー」
「おい」
「天馬君とキスシーンか…皆で見るね!」
「お兄さん話聞こ?もうMANKAIカンパニー本当に話聞かないね!?」
そ れ が で き な い ん だ っ て の ! !
出来る気がしてたらそもそも悩まないし、悩んでたとしても連日碓氷君に愚痴るようなことはしない。
そもそも出来ないことなんてない。
だって私はいつだって乗り越えてきた。
完璧に演じてきた。……なのに。
これだけはそうはいかない。
どうしても。
――――どうしても。
「天馬の事、本当に尊敬してるの。出会ったあの日から、ある意味私は天馬のファンなの。
立つ場所が違っても、私にとっての天馬は肩を並べて一緒に戦う相棒なの。仲間なの!
――――10年だよ?10年ずっと隣で見てきた相手を“異性”だと認識させられるんだよ?
そんなの、」
怖いに決まってるでしょ。
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春野さん(プロフ) - 完結おめでとうございます!タイトルからこんな風に繋がるとは思ってなくて、思わず涙が出ました。本当に素敵な作品だと思います。この作品に惹かれたのがきっかけで天馬最推しになった位(笑)次回作やアナザーストーリー、あれば期待しています、頑張ってください! (2018年8月31日 10時) (レス) id: 43b6e8fc40 (このIDを非表示/違反報告)
ゴム手袋(プロフ) - いいところで更新停止ー!!!めちゃくちゃいいとこでー!!!待ってますー!!!!! (2018年8月7日 10時) (レス) id: 2405ca442d (このIDを非表示/違反報告)
一華 顕音(プロフ) - 狂さん» コメントありがとうございます!嬉しいです…!頑張ります!! (2017年12月30日 16時) (レス) id: f13dd29270 (このIDを非表示/違反報告)
一華 顕音(プロフ) - Mareさん» コメントありがとうございます!更新できるように頑張りますね! (2017年12月30日 16時) (レス) id: f13dd29270 (このIDを非表示/違反報告)
狂(プロフ) - とても引き込まれました!頑張ってください! (2017年12月29日 11時) (レス) id: 4e15e8f7b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:一華 顕音 | 作成日時:2017年12月7日 17時