【刀剣】揚羽蝶の姫【乱舞】 (ページ5)

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名ヲページ5

再び会った男＿＿＿＿上総(気に食わないからさん付けとかしない)の説明はざっと纏めるとこうだ。

一、ここにいるのは人の体を得た刀の付喪神である。

二、神に真名を知られてはいけない為、偽名を名乗らなければならない。

三、彼等の仕事は歴史改変を目論む時間遡行軍と戦い、歴史を守る事である。

四、私は政府からの命令により暫く此処で保護される。

いや、政府どうした。
ただの小娘を保護とか……
そもそもほぼ誘拐に近かったんですけど。

……あ！？
じゃあ、薬研は＿＿

「薬研藤四郎は現存はしていませんが、あの織田信長様の懐刀。本来ならタメ口とか許されないんですけど」

「しかも…年上からかうな、とか言っちゃった…」

「薬研も意地悪ですね。それ位言ってやればよかったのに」

「名前を聞いちゃいけないって……そういう事か」

末席と言えども神でありながら私の無礼を寛大に許し、その上気遣ってくれるとか何事。
あのイケメン何者。
容姿詐欺にも程があるでしょう、あのひと。

どう見ても近所の中学生のようなその神様に、私はそっと手を合わせた。

「それで、此処にはどれ位の刀剣男士が？」

「話聞いてました？此処は唯一の政府直属機関。
実装されている全ての刀剣男士達が此処にいます」

「刀剣女士とかは？」

「いるはずないでしょう？」

「じゃあ誰が私を着替えさせた？！」

「俺ですけど？間違ってもアンタに、ていうか女に興味とか湧かないんで変な被害妄想やめてもらえます？」

「それがJKの身体見たやつの態度！？」

信じられない。いや、信じたくない。
初対面の男に裸見られるとか冗談じゃない。
意識なかったとはいえそんな恥ずかしい状況だったとか知りたくなかった。

そして悪びれた様子もなく、寧ろ気にもとめてない態度のこの男は1回地獄に落ちればいいと思う。

兎にも角にも、私は当分の間
男しかいないこの日本家屋で暮らさなければならないらしかった。

「主、話し終わった？」

「加州。入っていいですよ」

開いた障子の向こうに立っていたのは紅い目をした男の子。
年の頃は同じような見た目だけど、私はもう信じない。
こんな顔してジジィかもしれない。(失礼)

「俺は加州清光。主の初期刀だよ。…なんて呼べばいい？」

「それなら「姫で」…は？！」

「そう。宜しくね、姫」

「あ、え、あの、」

意地の悪い笑みを浮かべて真っ赤な私を見ているイケメンは滅ぼしてもいいかなって。