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そんな感じで、ほぼ毎日Aの所へ行ってはあしらわれる。
最初の方はイラついたりどことなく悲しかったけど、
五「Aー。」
『はぁ……なんですか、』
五「ん、呼びたかっただけ。」
『………ばか、』
少しずつ優しくなってるっていうか、照れ臭そうな反応が愛おしくてしょうがない。
七「こんなところにいたんですか。早く任務行きますよ、五条さん。」
五「はぁぁぁ〜……だっっる。」
『ほら、早く行ってきてください。』
しっし と手で払うようにされて益々行きたくなくなる。
口をもごもごさせてるから、どうしたのかと思えば
『……任務頑張ってくださいね、』
真っ赤な耳を隠せてないままぶっきらぼうにそう言った。
五「……ふ、おー。最強様がぱぱっと祓ってきてやる。
行くぞ七海。早くしろ。」
七「待たせてるのは貴方の方なんですよ……。はぁ、では行ってきます。」
任務を秒で終わらせ、早く帰るぞ と急かす。
少し後ろを歩いていた七海が
七「……貴方まで彼を泣かせたら許しませんからね。」
そう呟いたのを俺は聞こえてないふりをした。
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任務帰り、さっそくAに会いに行くと
『……飽きないんですか。毎日毎日、適当にあしらわれてるのに。』
相変わらず顔はこちらに向けてくれない。
五「飽きる飽きないとかの問題じゃねーよ。
俺がAのこと好きだから以外に理由なんているか?」
『………それ、…きっと、恋愛感情じゃないですよ。
ただ気の合う後輩の僕が珍しかっただけで、ごっちゃになってるだけで…』
目を伏せながら言うAに硝子の言葉を思い出す。
けどそれに対する答えはもう用意してある。
五「まぁ、愛とか恋とか俺にとってはAのことそう想ってても、お前にとっては違うように見えるかもな。
けど、Aのことを想ってる気持ちはちゃんとここにあんだよ。これが何であれ、お前のことで俺はいっぱいなの。」
『…恥ずかしくないんですか、そんなこと言って。』
五「全然。ちゃんと伝えたいから言いてーの。」
まだ逸らされてるその目が、いつか俺に向けられるように。
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ウソツキさんの「名もなき感情」をテーマに書かせて頂きました。
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作者名:リラ | 作成日時:2023年12月14日 10時