クソみたいな世界で ページ18
(五条side)
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だから____
何かを続けようとして、Aの言葉は止まった。
言えない言葉が涙になって溢れていく。
五「……泣くなよ、」
『……すみません』
謝って欲しい訳では無い。ただ、
俺の名前を呼んで笑ってくれる顔が見たいだけなのに。
五「俺じゃなくてそいつなら、
もしそいつが生きてたら、お前のこと泣かせなかったのかな。」
『…………さぁ、
もしも なんて存在しない世界ですから。』
そんなことない とは否定できない。
けど、傷つくお前を見るくらいなら否定でも何でもしてやりたかった。
静かな空気を強調するかのように、電話の音が鳴り響いた。
『すみません、僕のです。
もしもし、はい。はい、分かりました。すぐ向かいます。』
その返答ですぐに任務関係だと察した。
『え、……はい、分かりました。失礼します。』
五「任務?」
『はい。5日ほど京都で任務です。まあ、僕は弱いんでもう少し時間かかるかもですが。』
五「……そ、か」
『あと、夜蛾先生から教室に来いとのことです。恐らく護衛任務か何かだと、前話してたので。』
五「ん、さんきゅー。」
『では、行きます。』
五「おう、」
それだけ言って俺も教室に行くつもりだった。
けど、何でか分かんねーけど
五「A!」
去っていく背中に、今伝えなきゃだめな気がした。
五「俺は!誰に何言われようと!
お前がお前の事嫌ってても!
俺はAが好きだからな!忘れたら一生許さねぇぞ!」
距離的に聞こえてんのかどうかすら怪しい。
まぁ、任務さくっと終わらせて
傑や硝子、七海や灰原にもアプローチ手伝わせたらいっか。
なんて、この時まではあるはずだった
もしものことを考えていた。
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作者名:リラ | 作成日時:2023年12月14日 10時