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初めて人を好きになったのは幼稚園の頃だった。


幼稚園の先生が初恋だなんて漫画みたいな話。










でも好きになったのは担任の男の先生だった。



















「Aは好きな子いるの?」
















柔らかい笑みを浮かべている母に素直に答えた。







『うん!せんせーがね!ぼくのくらすのせんせーがすき!』




母の困惑した顔を今でも覚えている。




「え、?ちょ、ちょっと先生って男よ?もー、Aは面白いこと言うんだから。」










その時は何故母がそんな顔をしたのか理解できなかった。








小学生の時に、クラスでも地味めな僕がクラスで1番人気者の男の子と仲がいいのに嫉妬した女の子から




男なのに(・・・・)好きなんだって。」

と学年中に噂を広められて散々だった。








いっぱい言われた。



「気持ち悪い」「近づくな」って。






最後の方なんてほぼ菌扱いで、その男の子からも避けられて完全に孤立した。




頼みの綱である家族へ話しても、孤立していることに注目するのではなく





「同性を好き」



ということに先に嫌悪感を覚えられた。




ただ、あくまで我が子というのが引っかかっているのか


「そんなの一時の感情よ。」

「そーゆーの、全然気にしないからな。」






なんて、その後ろに隠された意味が見え見えの薄っぺらい励ましの言葉を貰う毎日。










中学に上がってもなかなか噂は消えず、呪霊が見えてることも相まって色んな意味で悪化した。








どこまで行っても1人か。







陰口にもならないような声量で言われている僕の悪口を聞き流しながら、そう思った。
















?「なぁ、お前らしょうもねーことばっかしてんなよ。」










凛と通るその声と裏腹に、クラスは静まり返った。










?「別に男が男を好きだろうが、女が女を好きになろうが、誰が誰を好きになろうといいじゃねーか。



どうせ他人なんだし、わざわざ関わりに行かなくてもそんなに嫌いならほっときゃいいだろ。」




主犯の男の子が彼の胸ぐらを掴んだが



?「それとも何、お前が隣のクラスの子に振られた腹いせ?かっこ悪ぃ。だから振られんだよ。」




その言葉に、今度は彼が標的になる。


「は、はあ?!!何言って、!…振られてねぇし!あいつがくそビッチだから俺は…!」









当の本人は



?「ざまぁねぇな、」









と僕に笑いかけた。



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作者名:リラ | 作成日時:2023年12月14日 10時

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