かえる。 (ページ16)

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話してたクレープ屋さんに寄ったあと、今は公園のベンチで喋ってる。

junki「やっぱクレープはフルーツ多いのに限んで〜。」

『んーー…でもキャラメルも譲れない…。』

junki「あーーー、あれも美味そうやったなぁ…、」

『あはは、早速揺らいでるじゃん、』

口を手で隠しながら、可笑しそうに笑う。

junki「……なぁ、柏木さん。」

『…？』

けどまだ気になってる。

junki「さっきラーメン屋で何かあった…？」

俯いてしまった柏木さんの方を見る。

『…………………河野くんとか、みんなにとってはなんでもないことかもだけど、』

皺ひとつないシャツの袖をぎゅっと握りながら続けた。

『………私、セットで頼んでたんだけど、

私だけ、ご飯の量凄く少なくて………、

" 女の子 " だから気を使ってくれたのは分かってる、けど…。』

『………………食べてる時もずっと視線が気になって……、

横の人がさ、「自分の彼女があんなんだったら嫌だ」とか「俺は少食な女の子がいい」って言ってて…………、

何で、好きな物を食べるのにもさ、

" 女の子 " が付きまとうんだろうね、』

なんなん、それ。

junki「どこのどいつや。そんなん言うたん。」

『え、』

困惑してる柏木さん。

junki「世の中にはそんなアホもおんねんなぁ…知らんかったわ。」

『こ、こうのくん…？』

がしっと柏木さんの両手を掴んで言う。

「好きなことすんのに性別なんか関係ないねん！

誰かから見た " 男 " とか " 女 " とかじゃなくて、自分が好きな " 自分 " でいることの方がよっぽど大事や。」

「…………そんな奴らのために好きなことすんの諦めたらさ、なんか負けた気するやん。

やから、負けんように頑張ろ。」

てかシンプルに柏木さん可愛いから照れてただけちゃうん…？

なんてぼそっと零すと

『はははっ、！なにそれ！』

目尻の涙を拭きながら大笑いする。

『＿＿＿＿＿＿ありがとう、河野くん。』

そう言って笑った柏木さんは綺麗で、

junki「あったりまえや！」

真っ赤な夕日が、火照った頬を隠してくれてよかったと心底思った。

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