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国見は思ってしまった。
久しぶりに会った、元チームメイトを見て。
＿＿影山は、及川さんにとっては岩泉さんのような存在が欲しかったんじゃないか＿＿
影山が言っている「ボケ」も、岩泉の口癖が影山に移ったものだと思われる。
影山に、あの速いトスにもしもついていけてたら。
日向みたいに、俊敏に動けていたら。
＿＿俺たちに、天才についていけるような力があれば＿＿
もしもあの時、影山のトスを打てていて、影山を孤独の王様にしなかったら、日向のいるところには国見か金田一がいたのだろうか。
影山は青葉城西に、いや、もっと強いチームに行けたのだろうか。
＿＿それじゃあ俺らは間違っていたのか？＿＿
間違ってなんかない。過去があるから現在がある。
そう自己完結し、国見は顔を洗いに水道に向かった。
体育館に帰る途中、角から影山が歩いていくのを見かけた。
少し気になって、見に行くと、金田一の後ろ姿があった。
「何、話してたの」
声をかけてみると、
「…………あいつ、俺たちって言ったよ」
と、間が空いたが、そう声が返ってきた。
なんのことだよ。という風に間抜けな声を出してしまう。
「いっつも、『俺は』とか『俺が』って、一人で戦ってるみたいな言い方してたくせに」
……あぁ、なるほど。こいつ“も„なのか。
「クソ……なんか悔しいな」
あまりにも金田一が懐かしそうに明後日の方向を向いて言うので、バレない様に国見は笑みを零し、金田一を叩いた。
「あだっ！？ なんだよ！！」
そんな声も聞こえないふりして、体育館へ続く道を歩く。少し振り返り、
「俺も、悔しいとは思ってるよ」
と、弱みを零す。
ポカンとしている金田一に、速くいくぞ。と声をかける。
国見の吹っ切れたような声に、金田一も少し笑って、あぁ！！と答えた。
＿＿過去は過去だし、今影山は楽しそうなんだからいいじゃん＿＿
気にしていなさそうな国見でも、やっぱり少し心残りはあるようだ。
「まー今はあいつの事考えてるより目の前の事考えた方がいいんじゃね」
「小笠原もいるしな……」
そんな会話を最後に、二人は体育館に戻るのだった。
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抹衣(プロフ) - はましおんさん» コメントありがとうございます！スペースはスマホでは出来なくて……わざわざpcでやっております(笑)小説風になるべくしたくて……。応援ありがとうございます！更新ペースが凄く遅いですが、気長に待ってくれると幸いです(笑) (2019年7月14日 10時) (
レス) id: 4a9e0cfb60 (このIDを非表示/違反報告)
はましおん(プロフ) - すごく面白くて読みやすいです。改行の後の全角スペースもちゃんとやっていてすごいなと思いました。応援してます！ (2019年7月14日 7時) (レス) id: 02bd72d94d (このIDを非表示/違反報告)
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