完璧なアイドルを落としたい。 (ページ16)

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かぞくのかたちページ16

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宮橋｢おかえりA。ご飯できてるよ、送迎行かなくて大丈夫だった？｣

間宮｢うん、他のマネさんに送ってもらった。ごはん、食べる｣

私にとってお母さん同然の人。

宮橋｢……A？どうしたの？｣

さっき樹に言われた言葉。

その言葉がずっと、胸の中に溜まってる

そしてそれは、長年思っていた疑問を

言葉にする引き金となった。

間宮｢……宮橋さんはさ、結婚したいと思わなかったの？｣

宮橋｢なに急に…笑

この業界に就職するって決めた時からないよ

そもそもモテないし？いい相手もいないし〜｣

ずっと一緒にいるから、ちょっとした変化も嘘もわかってしまう

間宮｢いま、嘘ついた｣

宮橋｢………Aには何でもバレちゃうなあ｣

私と一緒に過ごさなきゃいけないから

きっと宮橋さんは結婚したくても、出来なかった。

私がいるから。

血の繋がりもないようなタレントと一緒に暮らさなきゃ行けないんだもん。

でも見捨てることもできない。

宮橋｢……半分は嘘、半分はほんと。

確かに思ったこともあったけど、私ね、Aを預かった時に思ったの

自分よりも大切な存在が出来たーって。｣

間宮｢……？｣

宮橋｢Aと過ごす日々が楽しくて、

貴方が可愛くて仕方なくて。私が守らなきゃ誰がこの子を守るんだー！って思って

結婚なんかより、誰よりも、Aの事が大切だと思ったの。｣

間宮｢………血も繋がってないのに？｣

宮橋｢血の繋がりなんて関係ない。Aは私の娘、私たちは家族だから｣

宮橋さんの人生を私という存在がめちゃくちゃにしていたら

家族だと思っているのは、私だけだったらどうしようなんて

目の前の愛情に気づいてなかった

宮橋｢沢山の批判から、幼いあなたを守ってあげられなくてごめんなさい…｣

そうやって抱きしめてくれた背中は暖かくて

間宮｢………そんな、ことない……わたしもっ……家族だとおもってる……っ｣

この道で生きていく覚悟を決めてから

泣かないって決めていた。

それでも今日だけは許してください。

私は小さな小さな子供のように

母親に抱きしめられる幼い子のように

声を出して泣いた。

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