【WT】なんかトリップしたんだけど勘違いが激しい【トリップ】 (ページ15)

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想い人ページ15

-奈良坂side-

俺と忍田が隊室に入ると、既に来て居た章平は顔を赤くして驚いた。あぁやっぱりそんな顔をするんだなと、心のなかのモヤモヤを感じながら

忍田と言えば、ボーダー本部長の娘として注目されるところだが、彼女はそれ以前に注目されている。
所謂整った顔をしていると言う意味だ。
簡単に言えば、美少女と言ったところだろう

話したことない奴からの告白なんてものは未だないが、影では絶対に誰か想ってる奴は居るはず。はず、じゃなくて居る。

自分が、その一人だ。

いつの間にか章平が出したお茶を飲みながら、楽しそうに談笑する忍田を見ながら、俺も目の前に置いてある茶を飲む。

『ね、奈良坂くんって狙撃の名手なの？』

忍田がそんなことを聞いてきたので、章平に少し目線をやれば恥ずかしそうに笑っていた。
なるほど、お前から話したのか。

人に褒められる事に悪い気はせず、俺は「…実質は2位だけど」と言ったはいいが、妙に照れくさくなって小声になってしまった。

『2位でも凄いよ。私なんか攻撃手で全然だもんなぁ』

「忍田は強いって良く聞くけどな。この前は太刀川さん相手に勝ったんだろ？」

「た、太刀川さん相手に！？」

『や、あれは偶然。慶くんが何もないところで躓いたから』

…だからと言ってそんな何度も躓く訳ない事は、狙撃手の俺でもすぐにわかる。
それが彼女の実力なんだろう

『…そうだ、今度狙撃手もやってみたいから、奈良坂くん教えてください』

「……良いけど、狙撃もやるつもりか？」

『噛る程度にやっておきたくて。お願い出来るかな？』

「……さっきも言ったろ、良いけどって」

俺の返事を聞くと、忍田は『ありがとう』と嬉しそうに笑う。

その時、扉が開いた。

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