【WT】なんかトリップしたんだけど勘違いが激しい【トリップ】 (ページ30)

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暇人ページ30

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翌日の土曜日。
玉狛第一が任務に出た後、特にすることも無い私はボーダー本部を訪れていた。

ロビーでココアを買ってそこら辺の椅子に腰を下ろしてぼおっとしていると、目の前の咳に誰かが座る。

｢よォ、久しぶりだな忍田。暇なら遊ぼうぜ｣

『……お久しぶりです、影浦先輩』

ぼさぼさのウニみたいな髪型に好戦的な鋭い目付きの影浦先輩。彼とは犬飼先輩経由で仲良くなったSE仲間であり、割と可愛がられてる方では無いだろうか。

今みたいに突拍子も無く模擬戦に誘ってきたりはするが、基本的にはいい先輩である。

『朝から居るの珍しいですね』

「早くブース行くぞ」

『あれ、会話のキャッチボールが……』

まぁ仕方ない。どうせ暇だし影浦先輩と会うのも久しぶりだから、やってやりますか。

残りのココアを飲み切って席を立つと、今から楽しそうに口の端を上げる影浦先輩。
……おいおいそんな目で見ないでくれよ！！
朝だからあんま思考回路働かないから、私が負けるってこと分かってんだぞ！

先輩と二人並んで模擬戦会場に行く途中、「あれ、めっずらしー」と言う声に彼が立ち止まる。その声にたちまち不機嫌になった先輩は、舌打ちを零した。

「カゲにAちゃんだ。そのコンビ久しぶりに見たなー」

『犬飼先輩、早いですね』

「昼から任務なんだけど暇で来ちゃった」

やはり暇な人は皆ボーダーに来るのか。
なんて事を考えていると止まっていた影浦先輩が急に私を置いて歩き出す。

『か、影浦先輩？』

「……早く行くぞ」

『え、あ、はい』

「おっとカゲご乱心？まぁいいや。Aちゃん、今度テスト勉強する時は俺がいる時に来てね」

『考えておきます』

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