彼らとの毎日【短編集】【Fischer's】

☆パパになる 1【Motoki】【ピエさんリクエスト作品】 ページ34

ピエさん、リクエストありとうございました！！

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俺が、父になるなんて、考えたことも無かった。


君と出会うまでは。




｢妊娠？｣

至って、俺はその言葉を冷静に聞いていた。

｢うん。｣

彼女も、俺のシャツにアイロンをかけながら頷いて、落ち着いているように見える。

｢色々、考えないとね。｣

ぼーっと天井を眺めてみた。



Aと結婚してから、もうすぐ4年が経つ。

今までだって、本当に幸せで、彼女と出会えて良かったと思う日々だった。

そこに、また、新しい幸せが、舞い込んでくるんだ。



｢よろしくね。パパ。｣

なんて、柔らかく微笑む彼女。

俺の心臓が、ちょっとだけ波打ってから、

｢頑張るよ、ママ。｣

言うと、まだ慣れなくて、なんだか心がふわふわと宙に浮いているような感覚になった。


だけど、去年子供が生まれたシルクが、本当に大変だったと言っていたことが、ふと頭を過る。


不安の二文字が、生まれそうになった。


俺は、彼女に見えないところでぐっと拳を握りしめる。

そして、彼女の微笑みを見た。


俺が、不安になってどうする。

俺が、彼女を支えなくては。



どうしても、その笑顔を守りたい。



そう、心の底から思った。

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