第48話 コンクリート【Silk side】 ページ5
｢俺、気づいたことがある。｣
マサイは、見たこともないぐらいに凛としている。
彼の瞳は、痛いほどに俺を貫いた。
｢俺達が争った所で、恋は、どうこうはならない。｣
真っ直ぐな声。
｢恋は、相手が居るものだから。｣
俺は、俯いた。
それは、最後に選ぶのは神田さんだ、なんて綺麗な言葉には聞こえない。
だけど、
同じ人を好きになったからといって、俺とマサイの関係はどうなることもなく、
その運命は、交差しているようで、交わっていない。
の、かも知れないと思わせるには十分だった。
それは、俺の綺麗事だろうか。
きっと、そうであったとしても、マサイはマサイの、俺は俺の痛みを背負うことは間違いない。
｢…お前だけに、背負ってもらいたくない。｣
その声にはっとして、顔を上げた。
｢俺は、お前に守ってもらわないと壊れるぐらい、弱くなんかない。｣
そして、マサイは自分のTシャツの胸元を掴み、
｢この気持ちもな。｣
と続ける。
｢だから、お互いに全力で。｣
マサイはそう言って、俺の前に手を差し出した。
だけど、俺は、それを握り返すのを躊躇った。
｢いつもそうだろ？俺達はさ。｣
そんな俺を見て、マサイはまた言葉を繋ぐ。
｢なんか、全力でぶつかりに行かないのは、お前らしくねぇよ。｣
それからすぅと大きく息を吸って、
｢俺は、いつものお前が大好きだから、いつものお前でいて欲しい。｣
と言った。
俺は、そこで何かが吹っ切れるのを感じた。
俺がくよくよ悩んでいることの方が、メンバーには迷惑だよな。
これ以上、くよくよしているよりも、ちゃんとぶつかってケジメを付けた方が、俺らしいじゃないか。
｢わかった。｣
俺はそう言って、マサイの手を握り返した。
その時、胸の奥の方が熱くなって、
｢ありがとう。｣
と、思わず零す。
マサイは、いつもみたいに笑った。
だから、俺もいつもみたいに笑った。
それから公園についたけれど、それまでにもう話は終わってしまってて、
｢俺達らしいんじゃない？｣
なんて笑い合った。
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wakame(プロフ) - ゆーかりさん» いやいやこちらこそ！ありがとうございます！続編できました！！是非、読んでくださいね！ (2017年7月17日 23時) (
レス) id: 98da65900a (このIDを非表示/違反報告)
ゆーかり - ども！更新&返信ありがとうございます！！本当に読み返したくなるほど良い話なんですよ？笑 これからも、頑張ってください！応援してます！楽しみです！！^^ (2017年7月17日 7時) (レス) id: 778ae3def0 (このIDを非表示/違反報告)
wakame(プロフ) - ゆーかりさん» そそそ…そんなに愛読して貰っちゃって…涙が(´；ω；｀)！本当にありがとうございます！嬉しいです！！毎日更新、頑張っていきます(●´ω`●) (2017年7月16日 21時) (レス) id: 98da65900a (このIDを非表示/違反報告)
ゆーかり - ども！私もこの小説にお世話になります(笑) 更新、頑張ってください！！更新されてないときも、一話から読み返しております！！この話が大好きです！ (2017年7月16日 11時) (レス) id: 778ae3def0 (このIDを非表示/違反報告)
wakame(プロフ) - ゆーかりさん» コメント、そして感想、ありがとうございます！初めまして…だと思います！(笑)そう言って貰えて、涙が出そうなぐらい嬉しいです！！もっと楽しんでもらえるように、頑張っていきます！！これからもどうぞ、私の小説を、よろしくおねがいします(●´ω`●) (2017年7月15日 21時) (レス) id: 98da65900a (このIDを非表示/違反報告)
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