第67話 きちんと【Masai side】 ページ25
今日は久しぶりに、皆が揃う日。
俺1人だと静かなリビングは、うるさすぎるのではないかと言うほど、賑やかになる。
俺はそんな中で、いつもよりも元気に、だけど、心の奥底に小さな緊張を抱えながら、居た。
どうにも、切り出すタイミングが難しい。
いくら、皆、中学からの仲だと言っても、そんな恋愛の話なんてしねぇし。
むしろ、珍しいジャンルの話題。
ちらりとシルクの方を見ると、ぱっと目が合って、にやにやされた。
｢がんばれ〜｣
と口パクで言われる。
俺は、
｢わかってるよ。｣
と同じく口パクで返した。
その様子に気づいたモトキが不意に言う。
｢なになに？なんかあったの？｣
その言葉に、皆の視線が一気に俺の方に向いた。
初めに目が合ったぺけたんに関しては、わかってるよと言わんばかりに微笑む。
事情を知らない他の3人のポカンとした顔が面白くて、自然と口角が上がった。
｢俺さ。｣
いつも通りの調子ではじめる。
シルクの瞳が揺れた、ように見えた。
｢…彼女が出来た。｣
思っていた以上に、頼もしい自分の声量。
その言葉の余韻だけが、部屋の空気に残る。
皆が状況を飲み込むまで、数十秒。
それから、
｢マジ？｣
とザカオの興奮滲み出る声が現れ、俺は頷いた。
すると、目を見開いて止まっていたダーマがメガネのズレを直しはじめ、
｢おめでとう。｣
とモトキが微笑む。
｢彼女って、あの子だよね？｣
ぺけたんは、ふわふわと言った。
すると、モトキが、
｢え、もう知ってんの？｣
と驚く。
｢俺も知ってる〜。｣
ンダホがにやにやしながら、手を挙げた。
｢俺も〜。｣
とシルクも続けて、にやにやしながら、手を挙げる。
｢え、なんなの？なんなの？｣
ザカオがにやにや野郎達を交互に指差した。
｢要は、バレバレだったってことだろ？｣
ダーマが笑う。
｢あ〜、俺もなんか分かりそうかも。｣
モトキが天井を見ながら、何か思い出そうと顔を顰めた。
俺は、それぞれ違う様子の皆を見て、笑う。
よかった。
とほっと胸をなでおろした。
すると、バシバシと肩を叩かれて、上を見ると、シルクが立っている。
｢幸せにしろよ。｣
彼の口から出たその言葉に、俺は目を丸くせざるを得なかった。
部屋の中は、また話し声に包まれる。
だけど、
その少し震える声が、俺の耳にこびりついて離れなかった。
第68話 気遣い【Silk side】→←第66話 俺の投影【Silk】
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wakame(プロフ) - ゆーかりさん» いやいやこちらこそ！ありがとうございます！続編できました！！是非、読んでくださいね！ (2017年7月17日 23時) (
レス) id: 98da65900a (このIDを非表示/違反報告)
ゆーかり - ども！更新&返信ありがとうございます！！本当に読み返したくなるほど良い話なんですよ？笑 これからも、頑張ってください！応援してます！楽しみです！！^^ (2017年7月17日 7時) (レス) id: 778ae3def0 (このIDを非表示/違反報告)
wakame(プロフ) - ゆーかりさん» そそそ…そんなに愛読して貰っちゃって…涙が(´；ω；｀)！本当にありがとうございます！嬉しいです！！毎日更新、頑張っていきます(●´ω`●) (2017年7月16日 21時) (レス) id: 98da65900a (このIDを非表示/違反報告)
ゆーかり - ども！私もこの小説にお世話になります(笑) 更新、頑張ってください！！更新されてないときも、一話から読み返しております！！この話が大好きです！ (2017年7月16日 11時) (レス) id: 778ae3def0 (このIDを非表示/違反報告)
wakame(プロフ) - ゆーかりさん» コメント、そして感想、ありがとうございます！初めまして…だと思います！(笑)そう言って貰えて、涙が出そうなぐらい嬉しいです！！もっと楽しんでもらえるように、頑張っていきます！！これからもどうぞ、私の小説を、よろしくおねがいします(●´ω`●) (2017年7月15日 21時) (レス) id: 98da65900a (このIDを非表示/違反報告)
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