第59話 儚い桜 ページ17
彼が、帰り道に倒れたと聞いて、病室に駆けつけた時には、もう彼はこの世にはいなかった。
彼は、安らかに眠っているようにも見えた。
だけど、その唇にはもう艶が無くて、大好きだった横顔も、もう色褪せていた。
『…難病だったの。』
後で、彼の家族から聞いた。
私は、呆然と立ち尽くした。
だって、私は、そのことを全く知らなかったから。
その時、彼と私は、付き合い出して、1年半が経っていたのに。
私の心臓が、急に冷たくなったみたいに感じた。
『…なんで。』
私は、自分の胸を両手で押さえつけて泣いた。
『なんで、教えてくれなかったの…。』
彼が、裏に隠していたこと、私は気づけなかった。
彼の笑顔が思い出される。
それと同時に、後悔だけが押し寄せた。
もっと、はやく知っていれば。
もっともっと、彼との毎日を大切に過ごしたのに。
私の涙は、止まらなかった。
昨日まで、彼と一緒に、幸せだと言い合って、過ごしていたのに。
こんなにも。
こんなにも、幸せは儚いものなのか。
それから私は、幸せ、が怖くなった。
｢今の幸せが、失われてしまうんじゃないかって。怖くて怖くて…。｣
俯いて、ぎゅっと目をつぶった。
それから、少しだけ時間が経って、ふわりと全身が人の温もりであたたかくなる。
目を開いて、上を見上げるとマサイさんの、涙の溜まった瞳がいた。
第60話 儚い桜【Masai side】→←第58話 桜の記憶
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wakame(プロフ) - ゆーかりさん» いやいやこちらこそ！ありがとうございます！続編できました！！是非、読んでくださいね！ (2017年7月17日 23時) (
レス) id: 98da65900a (このIDを非表示/違反報告)
ゆーかり - ども！更新&返信ありがとうございます！！本当に読み返したくなるほど良い話なんですよ？笑 これからも、頑張ってください！応援してます！楽しみです！！^^ (2017年7月17日 7時) (レス) id: 778ae3def0 (このIDを非表示/違反報告)
wakame(プロフ) - ゆーかりさん» そそそ…そんなに愛読して貰っちゃって…涙が(´；ω；｀)！本当にありがとうございます！嬉しいです！！毎日更新、頑張っていきます(●´ω`●) (2017年7月16日 21時) (レス) id: 98da65900a (このIDを非表示/違反報告)
ゆーかり - ども！私もこの小説にお世話になります(笑) 更新、頑張ってください！！更新されてないときも、一話から読み返しております！！この話が大好きです！ (2017年7月16日 11時) (レス) id: 778ae3def0 (このIDを非表示/違反報告)
wakame(プロフ) - ゆーかりさん» コメント、そして感想、ありがとうございます！初めまして…だと思います！(笑)そう言って貰えて、涙が出そうなぐらい嬉しいです！！もっと楽しんでもらえるように、頑張っていきます！！これからもどうぞ、私の小説を、よろしくおねがいします(●´ω`●) (2017年7月15日 21時) (レス) id: 98da65900a (このIDを非表示/違反報告)
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