彼らとの毎日５日目 【短編集】【Fischer's】

☆体育館 に【Silk】 ページ11

また、来てるのか。



横目で、体育館の入口の方を見ながら、その存在を確認する。



分かってないみたい。

隠れてるつもりなのかも。



いつも、スカートの裾がちらりと見えてしまってることに、

きっと、彼女は気がついてない。


そして、朝練が終わる頃には、彼女が居たところに、

スポーツドリンクのペットボトルが置いてある。



一体、誰なんだろう。

どんな子なんだろう。



無心に放ったはずのボールは、

雑念にぶれて、リングに当たって、床を弾む。

それを、追いかけながら、


いっそ、指紋でもとってみるか？


なんて思って、


その後どうすんだ。


心の中で笑った。


だけど、この、ただ自分の技術を磨くためだけのものだった朝練が。


また、違った意味で、



毎日の楽しみになってきている。



見ると、今日も、体育館の入口、タオルを置いている横に、

いつものスポーツドリンク。

朝の光を浴びて、ピカピカ床に反射する。



なんだ、特別なものみたいだ。



そう思ってから、そちらに向かって1歩を出した。

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