裏切られたけど転生トリップしました【d!】 (ページ6)

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「筆記試験をパスされる方は此方に待機となります」

︎ ︎そう言い案内された先にはぽつん、と椅子が置かれている小さな個室だった。木製の凭れるには心許ない椅子に足を組んで座った。

「一人なのは結託を防ぐためか」

理事長も仲間内で協力して単独が不利にならないよう対策はしている、と言っていたのはこれだったのか。

何もすることが無いため部屋を見渡していると、突然部屋の照明が落とされた。
トラブルかと思ったが、どうやら違うらしい。

突然目の前の壁に《試験の説明》と書かれた文字が投影された。
魔法というのはこんな事も出来るのか、と感嘆したのもつかの間、画面が切り替わり説明が始まった。

『今から転送する森に、魔物を放します。その魔物を試験者達は倒し、ポイントを稼いでください。

尚、身代わりとなる呪い人形をそれぞれ二体ずつ付与します。
それを守りきればポイントは全て自分のものですが、人形を破壊された場合、破壊した者に人形と所有ポイントの二割が与えられます。
さあ、試験を受ける者。準備は良いか。

略奪サバイバルのスタートです』

︎ ︎瞬間、目の前が暗転したと思えば次は視界いっぱいに豊かな緑が溢れた。何処からか呻き声も聞こえてくる。楽しい時間になりそうだ。

「へぇ、良い試験じゃないか」

他人を蹴落とすのも良し、自力で守り抜くも良し。
個人がよく映える試験だ。ただ単に火力が知りたいだけでは無さそうだ、と口角をあげた。

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「余裕やわ」

︎ ︎森に放たれた魔物を走り回りながら焼いたり凍らせたりしていく。今の時点ではおよそ八百くらいだろうか。

一つの魔物に振り分けられたポイントは大体二十五だと言っていた。
覚えている限りでは三十は倒しているが、もうそこからは数えていないためもっといっているだろう。

人形も健在で、他の受験者を見ていると他人の人形にまで気を配る器用なやつは見当たらない。このまま逃げ切れば、もう不合格することはまずないはず。

そういえばショッピはどうなったのだろうか。あいつは俺よりもすごいやつだし、遅れを取っていることは有り得ないことは分かる。次会う時は笑顔で、合格した、と手を叩き合いたいものだが－－－

－－－パリン。

「！」

肩の少し後ろから硝子が割れたような音がした。

まさか、と思いながら後ろを振り向く。

「冗談だろ……？」

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