裏切られたけど転生トリップしました【d!】 (ページ48)

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⠀あれ、なんかデジャヴ、と目を据わらせる。
昨日も誰かさんに追いかけられてなかったっけ。入学からろくな目にあってないわ。

「あ〜、なんやろ、今年厄年なんやろなぁ……」

⠀そう呟く俺に大先生は鼻で笑い、可哀想。と興味なさげに言った。お前も他人事ちゃうやろ。現在進行形で追いかけられてますやん。そして昨日一緒に居たチーノとコネシマは深く頷いていた。

「てかこいつなんなん？足はそんな速ないけどボッコボコに地形破壊しとるわ」

⠀一周して全部壊させてみる？と半笑いでコネシマがふざける。
⠀流石にそれはこっちが疲れるんちゃうか……？

「ん？なんかトランシーバーが言っとる」
「ほんまや」

ポケットから小ぶりな通信機器を取りだし、何を言っているのか確認する。

《全生徒に告ぐ！直ちに備えよ！
森林内に二級魔法レベルの魔獣が確認された！各自退避！
要らぬ戦闘は避けよ！繰り返す＿＿》

「「………」」

⠀四人の中に沈黙が訪れる。

「絶対こいつやん〜〜〜！！！」
「報告遅すぎん！？既に被害あっとるし避けるとか無理やけど！？」
「ふざけんなここの警備どないやねん！」
「二級とかふざけんなや誰か来いや！！」

⠀ここに居るのは全員まだ三級。サボってたツケが今回ってきた、と嘆く先輩達。要は自業自得ですね。

「ロボロと合流出来れば万々歳なんやけど……あの感じ結構魔力使っとんな」
「詰みやん」

⠀あー、と項垂れながらなぎ倒される木を回避する。
⠀トントンさんら辺ともう一度合流したい所だが何処にいるのかも分からないし、もしグルッペンさんと合流しても面白がって余計な事して逆に苦戦しそうだし。
⠀…………話通じるやつ、アーシェくらいちゃうか？
あれはまだ常識人枠やろ。俺の周りリア狂しかおらんから。

「誰かおるで！！───うおー！！どけぇ！！」

⠀人を発見するとドヤ顔で報告するが、発端は大声を出したお前にあるだろう。

「おいクソ先輩ふざけんなよ」

⠀耳元で叫びやがって、という意味と、でかい声で叫びやがって、という意味を込めて言った。

⠀部長の視線の先にはロボロと－－額が血濡れのアーシェ。
あれ倒れるんじゃ？大丈夫だろうか、と心配しているとアーシェはそれを全く気にせず、なんならこちらを見ながらバカ発見、などとほざいた。確かにこれと追いかけっこするのは馬鹿だと思うが。
⠀俺の心配を返せ。

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