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⠀緊張感がまるでない会話をしながら校舎側の入口へと向かった。
⠀道中戦闘の形跡があり、どの生徒も良いところで邪魔が入ってしまったのだろうなと憐れに思いながら地を踏んだ。
「誰とも会わへんな。コネシマくらい居てもええと思うねんけど」
「あの人の笑い方豪快ですもんね。近くにいたらすぐ気づきます」
⠀形跡はあるものの、その肝心な人が見当たらない。
脱出したにしては早すぎる気もするし、そもそも外に出たところで安全を確保出来るわけでもない。
⠀発見された魔獣を殺しに行った方が早いのでは……？
⠀そんな結論に至るが自分は一応怪我人であるし鉄分不足なのは自覚している。特に治癒をする程でもないが、その二級、というものがどのくらいなのかにもよって、自分が大人しく隠密行動するかどうか変わる。
「二級魔法って、どのくらいですか」
「……え、知らんの？」
「はは、ド忘れしました」
「信じられへん……なんて非常識な魔法士候補なん……」
⠀恥を知った方がええで、と罵りながらもロボロは教えてくれた。
「二級から上級に分けられるから、もうそこから二級って結構強力なんは分かるやろ？で、階級を物資で例えるならまず三級で鉄。戦闘力で言ったらアンタがよう使ってる拳銃以上、大砲以下やな。二級はぐんと上がってダイヤ。戦闘力は散弾銃に勝って、ギリ航空機落とせるか落とせへんかなーくらい」
「へぇ、結構あやふやだったんですね」
「うーん、基本的に魔力量やったり、人間やったら試験受けて合格出来ればもう階級はあがるからなぁ」
⠀ありがとうございました、と礼を言い周囲に魔力の反応がないか感覚を研ぎ澄ます。これも理事長に一応、と言われやり方を教わった。
「……いる」
⠀半径百メートル以内に強い魔力を見つけた。
ロボロは、まさかやるつもりちゃうよな、と信じられないような目でこちらを見てくる。
「流石に疲れました。勝てるか分からない相手に突っ込むような馬鹿なことはしません」
「やんな？流石にそこは分かっとるよな？俺も魔力消費しとって正面からやり合うのはきついわ。大人しく逃げましょか」
「ですね」
「……十中八九、あの人のせいなんやろうなぁ」
⠀ロボロは迷惑そうにため息をつき何かを呟いた。
⠀何だと聞くと、「君は知らん方が幸せかもなぁ……」と同情したような目で言われた。
「うおー！！おいどけぇ！！」
「おいクソ先輩ふざけんなよ」
⠀聞こえてきた声にまた顔を顰めた。
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作者名：w579hgtvbj | 作成日時：2023年12月24日 11時
