裏切られたけど転生トリップしました【d!】 (ページ43)

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「それ卑怯ちゃうんか！！！？」
「うっさいチビ、武器もオールオッケーって言ってました」

⠀なんて生意気なんや……！！そうわなわな震えるロボロを横目に魔力でぽんぽんと銃を精製する。いくつか召喚魔法も試してみたがこれは効率が悪そうなのでそっと懐に忍ばせた。(良い子は真似してはいけません)

「撃つ場所が姑息！！」
「言うなら戦略家だろ。勝つためなら姑息な手段も必要です」

⠀森を駆けながら引き金を引く。弾丸は脆い木の枝に命中し、いとも容易くロボロの進行方向の邪魔をする。魔法よりもこっちの方が得意なのだから仕方がないだろう。

「いたた、いたい！ひっかかった！！詰んだー！」
「あ、それ戦闘不能なんじゃない？」
「嘘やろダサすぎる戦闘不能！！木の根にひっかかって敗北とかあるん！？俺、これでも上級魔法士の資格持っとるねんけど！？」
「なら魔法が敗因じゃなくて良かったですね」
「いや良かったけど！！良くない！！まだ終わっとらん〜！」

⠀わーぎゃーと騒ぐチビは置いておき、配布されたインカムにロボロ戦闘不能です、と言おうとした。あわよくばこの状態を笑われて欲しい。

⠀しかし、それが叶うことはなかった。

《全生徒に告ぐ！直ちに備えよ！
森林内に二級魔法レベルの魔獣が確認された！各自退避！
要らぬ戦闘は避けよ！繰り返す＿＿》

インカムから爆音で流れる焦ったような声。

「……聞こえましたね？」
「バッチリや。てことやから助けてもらおか」
「自力で出れるでしょ。何助けてもらえると思ってるんですか」

⠀鼻で笑うとロボロはてへ、と笑いながら魔法で木の根をぷつん、と切り抜け出した。

「バレとったかぁ。油断してる後ろから襲撃する作戦がパーやわ」
「姑息同士仲良くしましょう」
「嫌やわ俺お前のこと嫌いやもん」
「あれなんかしたっけ？？」
「自分が優位な場所でバンバカ銃撃ってきたん誰やっけ！？」

⠀インカムの音を更に上げてロボロの声をかき消すと、またそれをうわまわる、鼓膜が破れそうな声量で、人の話聞いとらんのはお前やろ！！！と叫んだ。失礼な奴だ、聞いてないのではなく聞きたくないのだ。

「あの、うるさいです、あー、先生がなんて言ってるのか聞こえなかったー」
「さっき爆音で流れとったやろ！！耳ついとんのか！！」
「貴方のせいで取れそうです」
「それはすまん」

⠀友人から声の大きさを指摘されたことがあるらしく少しだけ静かになった。

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