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side pink
⠀どうしても認められんかった。
警戒心の強いアイツらがあんな簡単に、こんな奴と。
⠀もしあの女のせいで何かあったらどうしよう。誰か傷ついてしまったらどうしよう。
⠀いや、分かってる。
アイツらやって誰彼構わず嫌悪感振り撒いとる訳でも無いし、実際友達も多い。ただ入口が狭いだけで、皆扉は何時でも開けてる。ちゃんと仲良くするやつは選んでるはずやねん。
⠀俺はただ単にこの女が気に入らんだけ。
⠀理事長にも一目置かれて容姿にも恵まれて隠密のセンスもあってその上魔力にも恵まれてて。
−−−「アーシェはね。凄いのは魔力だけじゃないんだ」
そんなんどうせ嘘や。大したことない。
−−−「彼女の才能は、目を見張るものがある」
嘘つき。嘘つき嘘つき。
やから、ついムカついて加減を間違えてしまった。
⠀流石にこれはまずい、そう思って止めようとしてももう遅かった。自分ごと巻き込む威力の魔法が魔法陣から放たれ閃光が走った。
あ、これ、ほんまに殺して、−−−
⠀目の前が絶望によって真っ暗になった。
⠀俺はなんてことをしてしまったんや。別に、あの子はなんも悪いことしとらんのに。ほんまはそんなこと分かってたんに。
⠀俺、嫉妬で人を殺めてしもうたん……？
「いたい！！殺す気かこのクソチビ！！！」
⠀鼓膜を越えて脳にまで達しそうな怒鳴り声が上がった時、俺は泣きそうになった。
「おいおい、なんでそっちが泣きそうになってるんだ。泣きたいのはこっちだよこのチビ。殺しはご法度！お前は話を聞けないのか！？」
「はぃぃ、すんませんしたぁわざとちゃうんすよぉぉ」
「あれのどこがわざとじゃないんだ！？」
⠀頭から血を流しながら、腰を抜かした俺を見下し近づいてくる女。
⠀もしかして避けたとかやなくて普通に受けて生きとる……？
「いやめっちゃムカついててぇ！つい殺したくなって魔法打ったら思ってたより大規模なってしもうたんです！」
「殺す気あるんじゃないか！！殺したいならこんな馬鹿みたいに白昼堂々殺すんじゃない！暗殺しろ暗殺！捕まるぞ！？」
「アンタ思ったより物騒やなぁ！？そっちが本性か！？」
「本性もクソもない、地面にへたりこんでないでさっさと立て」
⠀眉を顰めながら言う女−−アーシェは、お前のせいで木と頭突きをする羽目になった、と皮肉を言うのだった。
「腰、抜けてもうた……」
「はあ"あ"〜〜」
「すまん」
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作者名：w579hgtvbj | 作成日時：2023年12月24日 11時
