第二章 Three episode ＿上級たる所以 ページ39
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「ホンマに死んでもうてるがど思っだぁぁ！！！」
「そろそろ落ち着こうか」
「いぎででよがっだ」
「あはは！！ガチ泣きしとる！」
「はははは！アーシェ引いとるははは！！」
懐には泣いているチーノ、正面には笑い転げる鬱くんとショッピ。ザワつく周囲。早くチャイム鳴らねぇかな。
＿
⠀翌日、少し朝早く行くと教室にチーノが窓を眺めながら座っていた。おはよう、と声をかけると口がわなわなと震えだすやいなやえーん、と抱き締めながら泣かれる始末。
どうやら昨日眠ると本当に私が死ぬ夢を見たらしい。
「私を殺さないでくれるかな。ほら、生きてるでしょ」
「ゔん〜〜」
⠀初めは早朝であったため人が少なく問題なかったのだが時間が経つにつれ人が増えていき周りがざわざわし始めた。
「え、これもしかしてチーノすか？」
「ぶっ、チーノ！！おま、おま！！」
⠀騒ぎに乗じて、コネシマ先輩が鬱軍団、と称していた人物が揃ってしまった。鬱くんは手を叩きながら心底可笑しそうに涙を流しながら笑っていた。
⠀そして、冒頭に戻る。
「次私たち合同授業だよね。これつれてってくんない？」
「任せてください」
「任せた」
チーノの頭を撫でながらショッピに言うと抱き締める力が強くなった気がしたが気にせず笑顔で渡した。
「あ、ちなむと僕も合同やで〜」
「えぇ、そうなんですねー……」
「明らかに残念そうにしやんといてくれん！？」
顔を顰めながら言うと鬱くんは目を見開きながら言った。
もう一度自分の素行を見直してみるのをお勧めする。
＿
⠀鬱くん曰く、プチ抜き打ち体育祭みたいなものが行われるらしい。戦闘が体育祭と言えるのかは分からないが。
「さ、一年生はこっち、二年生はこっちに並んで。はい三年生指揮とって〜〜。ああ、Bクラスこっちね」
⠀指示された通り並ぶ。
視界の端でコネシマ先輩が指を指してきたのが見えたが無視した。
「では隣にいる人がペアで決闘の練習をしてもらいます」
「あ、どうも〜ロボロですぅ〜」
「どうも、アーシェです」
⠀隣に並んでいた人は昨日の一件でお世話になった、まだ多少の嫌悪感のあるチビだった。ほぼ初対面で失礼なのかもしれないが、しかしそれはきっと向こうも同じなのだろう。
⠀今日は少し横にずらされた面布から彼の瞳が見えた。
その奥からこちらを覗く品定め、不信感。穏やかに笑っているが、私にはそれが冷笑にしか見えなかった。
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作者名：w579hgtvbj | 作成日時：2023年12月24日 11時
