𐰷＿＿真相 ページ37
●
「これ、どういう事かな」
「げ」
⠀一件落着、と言った雰囲気が漂う深夜、軽い口調の裏に圧がかけられた一言が放たれた。
「げ、じゃないよアーシェ。絵画達が騒ぐから起きて来てみたらこれだ」
寝巻きの男がやれやれとため息をつく。
「というかロボロ、キミ何してるの。編入早々こんなことしでかして」
「ちゃうんすよー理事長！
亡霊の体験なんかもうこの先死ぬ時しか出来んとおもてちょっと悪さしてみたかったんですぅ！」
⠀理事長、と呼ばれた男は青年をロボロと呼び少し怒った顔をして歩み寄った。
⠀ロボロォ？とコネシマは首を傾げ、脳裏にチビを思い浮かべ、目の前のロボロと呼ばれた青年に目をやった。どう見て自分の知っているロボロでは無い。ゾム達もそれは同じのようだ。
⠀目の前にいるのは長身で黒髪、細身の筋肉とは無縁の青年だ。
「あのねぇ！？いくら得意魔法が降霊術だからって自分を降霊する馬鹿なんて居ないから！！次やったら本当に戻せないから気をつけてよほんと」
「はーい」
ロボロはえへへ、とだらしなく頬をかいた。
「おま、お前ロボロ……？いつからそんな背伸びてん」
「あ、すまんすまん、バレたら意味ないと思うて阻害魔法かけとってん。今解くな」
⠀霧散するように消えた姿の先から出てきたのは、見知った面布をつけたホビットだった。
「あれ〜〜小さすぎて見えんわ」
「殺すぞ」
「知り合いだったんですね」
「何一件落着、見たいな雰囲気出してんの！？」
アーシェは違うのか？と眉をあげて理事長を見た。
「この廃れた校舎見て！？これ壊したのだぁれ！？！？」
「ロボロ」
「ロボロさん」
「ロボロさんです！」
「この人」
「このホビットですよ理事長！」
「お、お前ら」
「じゃ、ロボロくん、ボクと夜通し地獄の作業しよっか☆」
全員擁護することもせず見捨てられ青筋たてるロボロ。
誰かが自業自得だろう、と言った。
「めんどくさいってぇー！」
ロボロの立場が逆転し、今度は追いかけられる側になったのを見届け、寮に帰って行った。
⠀ゾムに鏡の前に行き降霊術をするよう始めに言ったのは誰だったのだろうか。
⠀ロボロが放った魔獣はイタズラ程度で、本当はアーシェにも簡単に倒せるはずの魔獣だった。しかし、放たれていたのは中級魔獣で、ゾムが居なければ死んでいた。
⠀影で何かが蠢いているのを、まだ誰も知らない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 49人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：w579hgtvbj | 作成日時：2023年12月24日 11時
