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人の頭では無い宝石は、いとも簡単に割れた。
「命中！？まじかよお前すげえな」
「あれ、ほんとだ〜！まぐれですかね」
「無理があるて……」
一応軍人であることは伏せておいた方がいいだろうか、と誤魔化す。
「おー、アイツめっちゃ慌てとんで」
「あれは傑作ですね。すごく滑稽」
「もしやお前、結構いい性格しとんな？」
「人並みですよ」
「人並みはあんな喜々爛々として銃撃たへんのよ」
とはいえ、苦しみ始めたしこれで一件落着だろう。アイツのコアはあれだった、そういう事だ。
下の奴と合流しよか、と言われたため、まるで世紀末のような校舎の階段から下に降りた。
●
鉱石がアーシェの狙撃により木っ端微塵になった青年は、とにかく焦っていた。
「クソ、まだ話してる途中だったやろうが！！」
「あうん、それは同情する」
あの鉱石は青年の魔力の化身……いわば本体。
この魔法がほとんどの世界で、それは魂のようなものでもあり、魔獣は魔力が強ければ強いほど、その魔力を求めてやってくる。
あれがあれば俺はまだ生きれる。魔獣が邪魔するやつ全員消してくれる。
あれさえあれば、俺の生き返る計画は完璧だったのだ。
別に壊れさえしなければ大人しく帰してやるつもりだったのに。
青年は霊界に呼び出され薄れ始める己の身体に腹立たしい思いを抱えながら、誰が壊した、と辺りを見渡した。
アーシェとゾムがいたところに視線を向けるも、時既に遅し、二人はもうこの時には階段から降りている。
そして、あの偽物が生きていれば煽ってやろうか、なんて最低な事を話している。
「なんでゾム選んだん」
コネシマが、最後に答えろ、と青年に問いかけた。
青年は少しの間を置き、観念したようにため息をついた。
「簡単な事や。アイツが前、深夜に鏡の前にやってきてん」
「……は？」
青年の口から出てきたのは意外なもので。
「それで降霊術をしようとしてたんやけど、満月やなかったから失敗した。その時の目が今にも死にそうで、こいつなら成り代われるんやないか、なんて思った。だから呪いをかけて少しづつ算段を整えた」
青年は続ける。
「三時は色んなものが出入りする時間や。結界は緩くなって干渉しやすくなるし、鏡の周りはどうしても護る必要があってそこに魔獣を呼んだ。だから君らの言うアーシェはもしかしたら魔獣に殺されとるかもしれん。あれを倒すには二年で習う火炎魔法以上の火力が必要やねん」
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作者名：w579hgtvbj | 作成日時：2023年12月24日 11時
