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「早くゾムさん返してくれません？」
「お前偽物ってバレとんねん、はよ正体表せや」
「………完璧に、なれとると思ってたんやけどなぁ」
偽物の纏っていた魔力がひび割れるようにして壊れていく。
「なあ生者、知っとるか？丑三つ時って、お化けだけやなくて魔獣も活発に動き出すんやで」
ゾムだったものが、歪に、形を変えて、見知らぬ青年になった。その青年が纏っている魔力は、先程とは比べ物にならないくらい邪悪で、気を抜くとこちらまで飲み込まれそうな気配があった。
「お前らも、どれだけ生き残れるか見物やな」
青年は内ポケットから、黒く怪しげに輝く鉱石を取りだし、また、歪に笑った。
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「なんやここ！ボッロボロやん！まじなにこれ！」
「貴方の偽物がボコスカ壊しやがったんですよ……！！」
「なんかすまんなぁ〜」
全くすまんと思っていない声でゾムは謝る。
打倒偽物を目標に、黒焦げの魔獣は放っておき二階の廊下を走る。
「！」
中庭が見渡せる二階の廊下を走っていると、不気味な気配を感じた。
「今の……」
「ええ、あの気配は偽物です。一階に居ます」
「よし、殺そか」
中庭に視線を向けるとそこに偽物も居た。一緒に肝試しに来た人達も警戒した様子でいた。
殺意の籠った声で言い、ゾムは視線の先にいる偽物を鋭い視線で睨んだ。
「勝手に真似されんのめっちゃ気ぃ悪いわ」
あ、この人キレてる。
「私もアイツ嫌いなんでさっさと殺しましょう。悪霊だとは思いますが、この際そんなのどうでもいいです」
「やっぱそうかァ。不用意に怪しげなに鏡近づいたらあかんな」
とりあえず様子見していると、偽物はぐにゃりと形を変え別人になった。
「悪霊の急所って頭なんですかね」
「どうやろか？」
「あれ、なんか宝石みたいなの取り出し始めました。あれとりあえず壊しますね」
私は魔法陣を発動させ、銃の形を鮮明に思い出し頭の中で思い描く。普通に魔法を打てばいいのだろうが、自分にとって射撃の方が確率は上がる。
銃を具現化させると、ゾムはえ、と素っ頓狂な声を漏らした。
「え、ちょ、なんでわざわざ難易度あげるん」
「下がりますってば」
「てかなんで銃の構造理解出来て…」
狙いを定め、いつも通り引き金を引いた。
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「は？」
青年の持っていた宝石が突如割れ地面に散りばった。
「は、？そこらの魔法じゃ壊れない、対魔法結界を張ってるんやぞ……？ふざけるな、意味が分からん」
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作者名：w579hgtvbj | 作成日時：2023年12月24日 11時
