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「魔法の使い方がなんか丁寧っていうか、ゾムさんっぽくなかってん。あと、なんか本能的にちゃうなって」
「ほーん。部長と同じやね」
「チーノはなんも感じんかった？」
「俺はそんなに近寄る機会なかったからなぁ。あー、でも目は違和感あったで」
「目？」
納得するように言うチーノに聞いてみると、腕を組んで考えた後答える。目敏く見ていた違いに気づき、違和感を覚えたらしい。人の視線に敏感ゆえの違和感なのだろう。
「いつもゾムって、内ゲバの時に目ェ光っとるんかってくらい鋭いねんな。でもさっきはなんていうか……」
形容しがたいものにチーノは頭を悩ませる。
︎ ︎ここにシャオさんがいれば馬鹿、と罵っていただろう。
「「まるで生気を感じひん」」
やっと言葉を見つけたのか、顔をあげて発した声はコネシマにかぶせられた。
「被せんといてください部長……」
「いや、俺も同じこと思ってん。始め話しかけた時ゾンビみたいな目しとってなぁ、なんかこいつちゃうなって」
︎ ︎コネシマは肩を震わせながら、あれは粛清よりも恐ろしい、と語る。確かにあれはもう二度と対敵したくない。
至近距離で見た俺やコネシマならまだしもチーノまで気がつくのだから、よく見てるなぁ、褒めたくなった。
︎ ︎ ︎一階の中庭くらいに来たところで、そろそろ当初の目的だった鏡がある所に近くなってきた。アーシェが落ちた先もこの近辺にあるはずなのだが、人影は見えない。
︎ ︎そもそも、他の場所に魔法で飛ばされている可能性もある。
「ちすちーす！おもろそうな話してるやん！」
︎ ︎ ︎耳元で、ナニカが言った。
音もなく、魔力も気配もなく近づいたソレに、全員が臨戦態勢に入る。
「さいっあくや！！」
「お前、アーシェどこやったん？」
「さぁ？生きてんのか分からんやつ探す意味ある？」
「はぁ……？どういう意味や？」
︎ ︎ ︎突然現れたそれはニコニコと不気味に笑いながら俺ら友達やん、そんなやついらんやろ？と零す。
お前と友達になった覚えは無い、と睨むと、おちゃらけたように泣くふりをする。
︎ ︎ ︎明らかにおかしい。ゾムさんはこういう時そんな事はしない。ここで偽物説はほぼ確立された。
「かなしいわぁ。なんでなん？あんな女よりも俺の方がずっといっしょにおったやろ」
「それはゾムの話でお前とちゃう。消えろ」
「見捨てんの？俺はもう要らん？俺よりもアイツのこと選ぶん？」
ナニカは縋るように笑った。
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作者名：w579hgtvbj | 作成日時：2023年12月24日 11時
