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「−−−って、そんな易々と帰るわけないよなぁ」
︎ ︎絵画たちも寝静まり、すっかり静かになった教室から出るとチーノは悪い顔をしながら言った。
「校内一周するまで肝試しとは言えへんわな」
「それ朝までかかりそうですね。眠たい寝たい」
「さ、本題の鏡行きましょかー。別に眠ったまま歩けるならどうぞ」
ショッピくんから逃がさない、という断固とした意志を感じた所で、再び散策を始めた。
しばらく歩いて、そろそろ三時だろう、その頃に前方に何か人影が見えた。動いている。
「……ん？あれ、何？」
「ちょアーシェ、冗談やめようや」
指を指して、三人に問いかける。
先輩も流石に雰囲気が本気だと思ったのか、冷や汗を流しながら笑う。私は優しいので、わざわざ魔法を使って照らす。
「ほら先輩見てよー、あれ」
「ア"ア"ア"！！誰やアレェェ！！なんでこんな時間におんねん！！」
「うるっっさ」
叫ぶ先輩(多分ふざけている)を横目にショッピとチーノは、何処か冷静に人影を見つめている。知り合い？と聞くが、まだはっきりとは分かっていないのか、多分、と曖昧な返答が帰ってくる。
「………やっぱあれゾムじゃね？」
「ほんまやん、あれゾムさんやん」
「あっゾムさんやったかぁー！」
「絶対気づいてた」
先輩は、ちょっと声かけてくるわー！と満面の笑みで駆け寄っていった。仲が良いのだろう。
「大丈夫なんかなぁ……」
「あ、戻ってきたで」
ショッピくんが呆れ気味にコネシマ先輩を見送るとなんだか賑やかな様子で戻ってきた。何時でも楽しそうだな、あの人。
少しづつ近づいてくる人影と共に賑やかになる廊下。
と、そこで気づく。
「なんか叫んでない？」
「＿＿＿＿！＿＿あ"ーーーっはっは！！＿＿！」
「あの人は何時でも叫んでるやん」
「それにしてもうるさいよ、しかもめっちゃ走ってない？」
必死に何かを叫んでいるのが叫びすぎて反響しすぎておりなんと言っているのか分からないため、口の動きを見る。
「＿＿、＿＿！」
「に、げ、ろ……？」
そこでようやく、先輩は私達がいたところの、声が届くくらいの近くまで戻ってきた。
「悪いお前ら！！俺ゾムに嫌われとったわー！！」
「はぁ！？あんたらが不仲とか聞いたことないすけど！？」
「味方最大の脅威を連れてこやんといてや！」
「よし、二手に分かれるぞ！！こいチーノッッ！！」
「いたっ、いたたっ！引っ張んな！！ちょ、わかったから！！」
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作者名：w579hgtvbj | 作成日時：2023年12月24日 11時
