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︎ ︎そう言うと、コネシマ先輩はそれほどでも、と照れたように頭をかいた。褒めてねえよ。
「出会って少しの間柄なんてそんな距離空いた言い方しやんといてや、コネシマ達はまだしも俺ら同盟組んだ仲やん？」
「あれまだ続いてたんだ〜」
「やっぱアーシェ、俺に対して当たり強いわァ」
「気の所為だよチーノ！仲良しじゃん私達」
「やんな！」
「お前チョロ」
︎ ︎コネシマ先輩の、同盟ってなんや？という声は無視した。
疑問符を浮かべている先輩が、そろそろチーノの首を掴みそうな時、マダムも同じく疑問符を浮かべていた。
「……？貴方たち、四人で来たの？五人じゃなくって？」
「なーに言ってるんすかマダム！どう見ても四人やないですか！」
「いや、さっきもう一人……」
「こ、怖いこと言わんとってぇや」
「チーノビビりやん」
「やーいビビりー」
マダムの一言で、和気あいあいとした空気は一変、氷でも作れそうな氷点下の空気と化した……訳でもなく、メンツ的に本気でビビる人間はいないようだ。能天気にいじりあっている。
「まさか……お化け？」
「うああ、声にだして言わんとってや」
私がこの場の全員が思っているであろう事を言うと、チーノは耳を塞いで、瓶底メガネの奥から言うなという意志を感じた。
「言い出しっぺが一番ビビってんのおもろい」
「分かる。なんでしようと思ったのやら」
「正直言うとアーシェのビビる顔みたかった」
「動機が不純やわ」
ショッピくんが楽しそうな顔で言い私が共感すると、チーノは白状した。そんなに見たいなら言ってくれればいくらでもするのに、と首を傾げた。
「でも確かに見てみたいな」
「ショッピくん悪ノリやめようか」
「それでこそ鬱軍団」
「団長おらんやん」
「先輩鬱くんとも仲良しなんですか」
「ぶっっ！！う、う、鬱くん！！やばいめっちゃおもろいしにそう」
笑いのツボにあたったのか腹を抱えて笑う先輩。
いい加減ご帰宅願おうか、なんて思った時−−
︎ ︎ゴーン、という鈍い音が耳を劈く。
突如、校内に鐘の音が鳴り響いたようだ。
「……まぁ！もうそろそろ三時よ、貴方達もこれくらいにして帰りなさい」
「うす、あざっすマダム」
「ありがとうございましたー」
「あざまーす」
「おやすみなさいマダム」
私達はマダムに別れの挨拶をして美術室から廊下に出た。
手を振るとマダムは聖母の如く微笑んだ。
しかし悪いが、私達は良い子では無い。
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作者名：w579hgtvbj | 作成日時：2023年12月24日 11時
