第一章 Two episode ＿好奇心は ページ21
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「夜の学校探検して見いひん？」
好奇心は猫をも殺す。
「いや、いきなり何？」
机を挟み向かい合ってチーノと昼食を食べていると、突然おかしなことを言い始めた。
「さっきの授業ででてたやん！夜中に鏡に問いかけたら降霊術できるって！やってみようやー、肝試しみたいにさ」
「バレたあとが怖いなぁ」
「だーいじょうぶやって！思い出つくろうや！」
「うぅーん」
ニコニコと笑いながら説得するも唸りながら躊躇う私に、鼻で笑いながら言ってくる。それはもう悪党も顔負けの悪い顔をしながら。
「ビビってんの？」
「よし行こうか」
「つーわけで、今日の夜門のとこで集合な」
「ええ話してるやんチーノ」
自然な流れで会話に入ってきた友人に、チーノは胸を抑え大きく肩を上下しながら叫んだ。
「ショッピィ！？いつから」
「結構初めからやで。アーシェって意外と頭良いねんな……くらいから」
「めっっちゃはじめ！！声かけろや！！」
チーノの友人であるショッピくんは、肝試しの話よりもずっと前、それこそ座り始めた頃から近くに居たらしい。
さりげなく私の隣の空いていた席に腰掛けると、こんちは、と声をかけた。
チーノは恨めしげな目でショッピくんを見ると、まさかお前も着いてくるわけちゃうよな？と言い、それに対しショッピくんは行くに決まってるやん！と爽やかな笑みを浮かべた。
「そういうイベントは人が多い方がおもろいやん」
「お前普段そういうタイプちゃうやろ！！」
「うっさい俺にも好奇心ってもんがあんねん！」
「あ"ーはっはっは！！尖ってんなぁチーノ！」
独特な笑い声が耳に響く。
この笑い声には聞き覚えがあるし一人しか心当たりがない。
「うるさいやつが増えたぁ！！」
「じゃ、コネシマ来たんで俺はこれでお暇しますわ」
「オイオイショッピ逃げるんじゃないよ」
「逃げてなんかないすよコネシマさん。そういやチーノと今日肝試しするんで良かったら一緒にどうぞ」
「へぇおもろそうやん！今日のとこは見逃したるわ！」
「あざっす！」
「おいショッピゴラふざけんなよお前」
ショッピくんは颯爽とどこかへ行きコネシマ先輩はフードを目深く被った生徒につれられ再び席についていた。その時先輩の断末魔があがったのだが、あの席では一体何が行われているのだろう。
「もう食えないっすよゾムさん」
「おうおうシャオロンまだ喋る体力あるんやん、食え」
食え、に込められた圧がとても重いのは伝わった。
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作者名：w579hgtvbj | 作成日時：2023年12月24日 11時
