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︎ ︎何故か先程まで分からなかった言語もスラスラと分かるようになり不思議に思うも、発言がヤバい奴のソレだったので一旦距離を置く。
母国の言語も覚えている事から、この言語のみ適応されたのだろう。うっかり母国が出ないように気をつけた方が良さそうだ。
「ちがーーーう！その可哀想なものを見る目ヤメテヨ！」
「魔法なんてあるわけない、馬鹿なのか」
「え！？こーんな素晴らしい魔力を持っていて魔法を知らないの！？なんて勿体ない！」
「どこの電波拾ってるんだコイツ……？」
唐突に現れた男は額に青筋たてながら地団駄を踏む。
普通に考えて、出会い頭にあんな声のかけられ方をすればこうなることは分かるのではないだろうか。
「ボクは私立魔法学園の理事長！りーちゃんでいいよっ！
ボクはキミをその魔法学園に推薦したいのさ！」
「キチガイ、一人で話を進めるな」
「おっと意外と気性の荒い子なのカナ！？」
信用していないやつにいきなり推薦したいなんて言われても、はいそうですか、とはならないだろう。
そんなホイホイついて行ってしまえば簡単に捕虜として監 禁されてしまう。ここはどうかは知らないが。
︎ ︎ ︎状況を見るにここは戦後という訳ではなさそうであるし、とりあえずなんの情報もないまま歩き回るよりはこの男について行った方が吉だろうか。
「とにかく！キミ、見るからに捨て子だろ？行くとこないならボクに着いてきなって☆」
外交官顔負けの媚びた声。しかし宛も何も無いので詐欺でもなんでもかかってこい、なんてヤケクソな思いで返事をした。
「分かった、着いていく」
そう言うと男はにっこりと胡散臭い笑みを浮かべ、その瞬間目の前が真っ白になった。
＿＿＿＿
︎ ︎ ︎眩しい閃光が消え目を開けると、視界には奇妙なものがうつっていた。
「……なんだこれは」
長官の部屋のように小綺麗にされている本棚がいくつもあり、長テーブルが置かれその上には書類や筆ペンが宙を舞っている。
辺りを見渡せば、山積みにされた本が元いた本棚まで自分で収まりに行っていた。
「これで信じたかい？」
「……まあ、それなりには」
「では早速入学手続きを☆ここにサインしてね、ちょっと血垂らすだけだから！」
どうにも信じ難いが、状況も状況だ。藁にもすがる思いで
飛んできた書類に親指を噛んで血を垂らした。
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作者名：w579hgtvbj | 作成日時：2023年12月24日 11時
