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✧︎
今何か聞こえた。ぉ……とかなんとか。
やはり普通の状況では無いことは分かった。
「今日は何を食べたんですか？」
「なんでお前に言わな……鮭……あかんねん」
「鮭なんですね」
「ちゃうわ耳ついとんか」
︎ ︎棘のある言葉をぶつけられはするものの、目は幾分か優しくなってきたような気がしてくる。
それに加え、暴言の合間に食べた昼食まで教えてくれた。
何なのだろう、二重人格なのか？
「魔法か何かかかってたりします？それで解けないままだったり」
「はぁ？そんなへま……………そうや……する訳ないやろ」
ああ、これ確定だ。
そう確信するも、解き方なんて知らないし、そもそも何が原因なのかも分からない。
こんな時は分かりそうな人に頼るのが一番だろう。
最後の一口を頬張り、おかしな生徒の手をひき、助けてもらいましょうねー、と声をかけて図書館に向かった。
その間も離せやゴラァ、など言われていたが、チワワだと思えばさほどうるさく感じなくなった。
＿＿
「エーミール先輩、いらっしゃいますか」
「オイオイお前、あのハゲ呼んで何すんねん？街コンか？」
「コネシマさん！？何してるんですかアーシェさんに絡んで！！」
「うるっさいねん童貞！！」
「アーーー！！！！女性の前でなんて事いうんです！！！」
「大丈夫ですよ、何も聞いてません」
「そのフォローが傷を抉る………」
混沌。穏やかに過ごせるはずの図書館はたちまち混沌の場と化した。
自分はどうするべきか、と視線を右往左往していると、エーミール先輩は其れを察してくれたのか話を進めてくれた。
「まさか貴方、今日の昼食鮭食べましたね！？あんだけ食べたらあかんって言ったのに！」
「はぁ？そんなん聞いて……食べた!……ないわ」
「まァ元気な返事！ビックリマークついてますけども！？」
「知らんわハゲェ！！」
「禿げてません！！もう、解除魔法しますから大人しくしてください！」
「めっちゃ動いたんねん」
「コイツ………」
「あ、抑えておきますね」
「ありがとうアーシェさん！！」
︎ ︎そうしてエーミール先輩は金髪蒼眼の生徒の頭に手を当て解除魔法を唱えた。
何かが浄化されるような音が聞こえると、生徒は大きな声を上げて笑い始めた。
「あーっはっは！！なーんか身体が思うように動かんくてなぁ！たまにしか自分の意思で喋れんようなって大変やったわ！！」
「当たり前やろ！？」
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作者名：w579hgtvbj | 作成日時：2023年12月24日 11時
