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「近寄らんといてくれるか」
冷淡な声で抑揚もなくそう言う彼の目はとても冷えきっていて、その中には孤独が居座っていた。
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side turquoiseblue
「部長、俺図書委員入ろうか迷ってるんすよね」
後輩は二階の廊下の開けた淵から景色を眺めながらそう言って、生徒会の勧誘を蹴るつもりなのだと話す。
そうか、としか思っていなかった。別に無理強いするつもりも無かったし、やりたいことがあるのなら勿論其れを尊重するべきである。
「お前がそうしたいんやったら好きにしたらええよ」
「たまにいい人よなぁ」
「たまにてなんや。俺はいつも優男やろ」
つられて自分も石造りのヒンヤリとした塀にもたれかかり風景を眺める。
そして、気づいた。
チーノの視線の先に、誰かいる。
ショッピだろうか、ゾムだろうか。
自分も少しわくわくしながら、その視線の中心を、よく凝視する。
「……ほーん」
チーノ、お前にも春が来たんやな！と思い肩を優しく叩いた。
肝心の本人は疑問符を浮かべて怪訝そうにこちらを見ていたが、俺の目は誤魔化せんぞ！
「その目ムカつくわァ、やめてくれん？」
「だぁっはっは！言うようなったなぁ！」
暖かい目で見守ってやるのが先輩の勤め。
これこそプロ。大先生、恋愛マスターの称号はもろたで！
瓶底メガネの奥からじとりと睨む後輩は置いて、ハゲ教授ことエーミールの元へ向かった。
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冷たいターコイズブルーに見下ろされながら食べる昼食は、はっきりいっていつもと味は変わらないし、なんなら今日は出来たてホヤホヤなので美味しい。
精神異常は出ていないようで安心した。
「近寄っているのは貴方なのでは？」
「喋んな、いいからどっか行け」
いや、お前がどこかへ行ったらどうなんだ。
「生憎ご飯を食べてるので」
「そんなんどうでもええわ」
「流石にそれは暴言が過ぎるのでは！？」
そう思い、声をかけられた時ぶりに視線をあげると、視線がかち合った。
……どこか、先程と様子が違う。
相変わらず冷たい、凍えるような瞳をしているのだが、その奥で、何か助けを求めている気がした。
「……あの、どうかしましたか？」
「あ？どうかしてんのはお前の頭の方やわ」
「まって私何かした？？」
本当に心当たりが無く、必死に脳内を駆け巡って探すがこのような人物は見当たらない。
「……食あたりでもしました？」
「ぉ……ンな訳ないやろ何言ってんねん」
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作者名：w579hgtvbj | 作成日時：2023年12月24日 11時
