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︎ ︎ ︎何故委員の話が出ているのかと言うと、数時間前係決めをするため入りたい役職を決めておくように、と言われていたため候補を探していたのだ。
どうやら魔術研究会始め、映像研究会、肉体改造研究会、空中魔法研究会、などと何れかの会に入会すると役職は免除される場合もあるらしい。
「でもええの？図書委員結構仕事多そうちゃう？」
「私無職だと怠けちゃうから」
別に自分は免除を求めているわけではないが、でかでかとあちらこちらに貼られているポスターを目に入れないのは逆に難しいだろう。
「サボるなよチーノ」
「当たり前ですやん、俺の事なんやと思っとん」
「親切心を裏切ってくる詐欺師」
「めんつゆあげたんまだ根に持ってんの？」
「自覚がおありのようだね」
ジト目で睨み拳をあげると、すんません、と笑いながら私の腕をやんわりと握り元の位置に戻した。
私は忘れない、この前学食を食べた後、紅茶いれたと言われ、良い奴だな、と思いながらティーカップに注がれた薄茶色の液体を飲んだ。
元軍人であるし、そこら辺は敏感なので正直紅茶では無いことは分かっていた。親切心で入れてくれたんだろうし、それにこの世界ではこれが紅茶なのかもしれない。そう思ったのだ。
しかしそれは甘くもなく無味でもなく、まさかの塩辛い液体であった。
初めはこういう飲み物なのだと思い吐き出しそうになったのを堪えたが、チーノがお腹を抱え始めた位に何かがおかしいと気づいた。
あいつ、いつか覚えておけよ。初めの方の大人しさはどこへ消えたのだろうか。この前まで内心で猫かぶり、と名付けていたのだが、最近は本性が垣間見えるためそのあだ名は没になりそうである。
「でも美化委員もいいよね」
「なんで？」
「自分の手で学校を綺麗にすれば、汚した奴を合法的に……」
「アーシェは絶対美化委員ならん方がええわ」
軍に配属されて慣れ始めた頃は憂さ晴らしにするために嫌いな同僚を如何にバレずに半殺しに出来るか錯誤する程度であるし、そこまで酷いことは無い。
「チーノこそ本当に図書委員に入るつもり？」
「そのつもりやねんけどなぁ……もしかしたら生徒会か、さっきの魔術研究会に入るかもしれんねんな」
「もしかして知り合いに勧誘されてたり？」
「そのもしかしてや」
入学して間もないのに顔が広いチーノに関心しつつも、自分も知り合いを増やしていったほうがいいだろうかと考える。
「よお、チーノ」
「げ」
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作者名：w579hgtvbj | 作成日時：2023年12月24日 11時
