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「一緒に行く？」
「うん、行く」
教科書を抱え指定された、屋外の離れた小屋のような教室に向かう。すると道中、クラスメイトの女の子に声をかけられた。
「あなた達名前は？私はニナ！気軽に話しかけてちょうだい！」
「あたしはアンナ！」
明るく元気はつらつ、といった様子で空は曇り模様にも関わらず輝いて見える。
「私はアーシェ、よろしくね二人共」
「僕はチーノって言います、よろしゅう」
軽い自己紹介と雑談をしていると、少し薄暗い教室に到着した。
すると、少し後から舌足らずな声でチーノを呼ぶ声が聞こえた。後ろを振り返ると、そこには気だるげな、顔の整った青年がいた。なるほど、これがショッピ。
「あ、ショッピぃ！やっぱ合同やってんな」
チーノは先程言っていた友人を見つけ合流したので、自分はアンナとニナと一緒に座る事にした。
「ちょっと湿っぽいわね。でも魔女になったみたいで面白いわ」
「発想が可愛らしいね」
席に着き教室内を見渡しながら、所々隅にカビが生えていることを発見しニナが楽しそうに言った。
普通ならば顔を顰めてもおかしくはないのに、それをプラスで捉えられるのは人格形成がきちんとしている証拠だ。
「アーシェ聞いて？ニナったらいつもこうなのよ。普通は不満を抱く所なのに全部肯定しちゃうんだから」
「いい長所じゃない」
「あら、照れるわ」
可愛らしく微笑み手を頬に当てながら言うニナ。
アンナは一瞬言い淀んだが、それでも主張はあるらしい。
「そ、れは私もすごくいいと思うの！！でもね、そのせいで舐められることが多いのよ！」
「舐めるやつなんて放っておけばいいよ。ニナの良さに気づかずに威張っているだけなんだから」
「いいこと言うじゃない、アーシェ。自己肯定感が爆上がりよ」
「ニナ、やっぱり感性が独特なのよね。選ぶ言葉が変っていうか」
アンナは結構思った事を瞬時に言うタイプなのだろうか。
先程からマシンガントークが止まらない。
「あ、先生だ、わ…？」
ずっと口を動かしていたアンナが空いた扉を指し、目をぱちくりさせながら、あれ？と言う。
アンナだけでなく、他の生徒も疑問符を浮かべている。
「いない……？」
「でも扉は空いてるわよ」
「あれ、ほんとだ」
今も開かれたままの扉は風でユラユラと動いている。
「んー、そうですね」
風は楽しげに笑う。
「では、アーシェ=ヴィッテさん。問題です」
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作者名：w579hgtvbj | 作成日時：2023年12月24日 11時
