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【あんよが上手、転ぶはお下手】



「狛治…狛治。こっちにおいで。

まぁ!そう上手。」



あっちへよろよろ、
こっちへよろよろ。




と、しながらも私の元にやってくる。その姿は愛しい。




「…うっ、だぁ、だぁ」




転びそうになるが、頑張って近づいてくる。

その様子を眺め、私は狛治の成長を感じる。




やっとの事で

私の膝の上に手をつき、




着いたよ!

頑張ったよ!褒めて!!



という様に声を上げ、私を見る。




「あんよが上手になったね。

良い子、良い子。」




小さな身体を抱きしめて、頭を撫でる。



つい此間まで、這って私の元に来ていたというのに…







【狛治は偉いね】











【七つ前は神のうち】




近くの井戸まで、小さな狛治と並んで、歩く。




小さなおててを握り、小さな歩幅に合わせてゆっくり歩く。


三尺程度の背は、いつか私の背も抜かしていくのだろう。




井戸の近くに行くと、こそこそ話し声が聞こえた。





「また、子供が亡くなったそうよ。今度は川の近くの家の所の。」

「違う所の赤子も、亡くなったって。しかも、母親も」

「それは旦那が気の毒ね」




奥方達の井戸端会議だった。


「……」


私は狛治の耳をそっと押さえる。
こんな言葉を耳に入れさせたくなかったからだ。



狛治は少し困った様な顔して私を見つめている。



「でも、

鬼子だった所は元気だそうよ」





鬼子と言われていたのは、狛治だけだった。


私はそっと、狛治を抱き上げ、踵を返した。







《七つまで生きればいいのにね》





最後の言葉がやけに耳に残った。




家の前で立ち止まる。






【子供はよく死ぬ】






「……」





私は神社に向かって、歩き出した。





「どうか神様、狛治を守ってください」





私の愛し子を。








狛治が七つすぎても、私は神社に通い続けた。

 →←あとがき



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設定タグ:鬼滅の刃 , 猗窩座 , 漫画   
作品ジャンル:アニメ
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まっひー - いえいえ!役に立てて良かったです! (2022年1月1日 21時) (レス) @page4 id: d24aae8d9d (このIDを非表示/違反報告)
w.s.(プロフ) - まっひーさん» わあ、全然気づいていませんでした!ご指摘ありがとうございます! (2022年1月1日 21時) (レス) id: 07cb00f83d (このIDを非表示/違反報告)
まっひー - 初コメ失礼します!「小雪」ではなく「恋雪」です。細かくて申し訳ございません!あと、愛肆の良治さんのセリフで「君は神様に気に入られているだ。」になってます! (2022年1月1日 20時) (レス) @page4 id: d24aae8d9d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ホワイトサファイア | 作成日時:2021年7月20日 21時

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