血は欲しくないみたい。infinite (ページ10)

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年上の男ページ10

彼との出会いは突然だった。

？「あの…」

「はい？」

？「よかったら連絡先、教えてくれませんか？」

カフェでたまたま隣に座った男の人。

彼は私をじっと見つめてそう言った。

私はその人に不思議な魅力を感じた。

「はい…」

？「僕はドンウっていいます」

「ドンウさん？」

ドンウ「はい！お名前は？」

「Aです」

その時、無邪気な笑顔で笑うドンウしか目に入らなかった。

それから数ヶ月が経ち、ドンウとは頻繁に会うようになった。

ドンウは夜になるとふらっと私の家に来て
何をするわけでもなく帰って行く。

ただ私が不思議なのは
ウヒョンが来ている日には絶対に家に来ないこと。

いつも連絡せずに来るのにウヒョンがいるときに来たことは一度も無い。

もうひとつ、怪しいことがあった。

ドンウが食べ物を食べたり飲んだりしているところを見たことがない。

食べ物を勧めてもいつもお腹いっぱいと断るばかり。

「ドンウ、ドンウは何歳なの？」

ドンウ「Aより上だよ」

「それは分かるよ」

ドンウ「分かってた？じゃあなんでオッパって呼ばない？」

「なんとなく。」

ドンウ「そっか」

そう言って下を向いて笑うドンウ

聞いちゃいけなかったのかな。

ドンウ「もし…俺がAよりもずっとずっと年上だったら？」

ゆっくりとそう聞く彼の瞳が揺れていた。

「私は気にしないよ。ドンウと居たら楽しいし、私よりずっとずっと年上でもドンウってことに変わりはないでしょ？」

ドンウ「A…」

真っ直ぐに私を見つめる彼

その唇は次の言葉を探してゆっくり動き出そうとしていた。