血は欲しくないみたい。infinite (ページ26)

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久しぶりの男ページ26

天気の悪い雨の日

私はリビングのソファーでうたた寝をしていた。

ピンポーン

突然のチャイムで目を覚ます。

「はい」

「俺だよ、ウヒョン」

「ウヒョン？」

それは久しぶりに口にした名前

妙に懐かしくなって
私は扉を開けてしまった。

ｳﾋｮﾝ「A、もっと早く会いに来れたら…」

「え？」

ｳﾋｮﾝ「これ。」

そう言って渡されたメモには電話番号が書かれていた。

「ウヒョンの？」

ｳﾋｮﾝ「なにかあったら連絡して」

「なにかって？私そんなに困ってないよ？」

ｳﾋｮﾝ「俺はAの味方だから」

「ねぇウヒョン、どうしたの？何かに変だよ」

ｳﾋｮﾝ「じゃあ…」

「ちょっと待ってよ！ウヒョン！」

訳もわからないままウヒョンは行ってしまった。

3年ぶりのウヒョンは前とは違いもう他の女の子の匂いはしなかった。

ﾐﾖﾝ「ねぇママー」

「ん？」

玄関に立ち尽くす私をミヨンは不思議そうに見ていた。

ﾐﾖﾝ「だれー？」

「えっ？あ、郵便局のお兄さんよ」

ﾐﾖﾝ「ミヨンのあるー？」

「今日はないみたいね」

ﾐﾖﾝ「パパはー？」

「パパはもうすぐ帰ってくるよ」

ﾐﾖﾝ「ちがう！」

「え？」

ﾐﾖﾝ「ミヨンのパパ！」

「ミヨンのパパはもうすぐ帰ってくるよ？」

ﾐﾖﾝ「ミヨンのパパ！」

「もうどうしたの？」

玄関でミヨンの話を聞いていると
ソンヨルが帰ってきた。

ｿﾝﾖﾙ「ただいま」

「ほら！ミヨンのパパ帰ってきたよ！」

ﾐﾖﾝ「ちがう！」

ｿﾝﾖﾙ「ミヨナー」

ソンヨルはいつものようにミヨンを抱き上げた。

ﾐﾖﾝ「ちがう！」

ｿﾝﾖﾙ「ん？だっこイヤ？」

「よくわからないんだけどさっきからずっとこんな感じなの…」

ｿﾝﾖﾙ「ミヨナー、パパのこと待っててくれたの？」

ﾐﾖﾝ「ちがう！ミヨンのパパじゃない！」

そう言って走って行ってしまったミヨン

ｿﾝﾖﾙ「ミヨンのパパじゃないって…」

「どうして、ミヨンが？」

ｿﾝﾖﾙ「まだ3歳だぞ。わかるわけがない」

「私たちだって1度も口にしたことないのに」