血は欲しくないみたい。infinite (ページ15)

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明日はない男ページ15

ドンウが出ていってから
外が明るくなるまでずっと泣き続けた。

次に目を覚ましたのは身体に覚えのある冷たい感覚がしたときだった。

目を開けると私をじっと見つめるソンギュがいた。

「ソンギュ！」

疲れた顔で少しだけ笑うソンギュ

「どうして今まで来てくれなかったの？もう来てくれないかと思った」

久しぶりに思いっきりソンギュに抱きついた。

ソンギュは何も答えてくれない。

「ソンギュ？」

ソンギュがケータイを出して文字を打つ

声を出すと居場所がばれる。

「どうして？誰かに追われてるの？だから来られなかったの？」

小さくうなずいてソンギュの手がケータイに戻った。

俺は人間を殺したと疑われて
捕まえられた。

「ソンギュは血を吸わないってみんな分かってるのに！どうして？」

眉毛を下げて笑うソンギュ

どうして俺が血を吸わないってみんなが知ってることAが知ってるの？

「それは…」

言わなくていいよ

泣きそうな私の頭を撫でてくれる。

「ソンギュはどうなっちゃうの？殺してないのに」

わからない
もう誰も俺のことなんて信じてくれないから。でもこうやって今Aのところに来てるのがバレたらもう終わり

「ばか。なんでそんなに危ないのに来たの！」

だって…Aがあんまり俺を呼ぶから。
昨日は眠れなかったんだよ

ソンギュには全部バレてる。

「ソンギュ…このままずっと一緒に居ることは出来ない？」

そんなことしたらAまで危ない目に遭うよ
絶対ダメ。

「それでもいい。ソンギュとずっと一緒に居たい！」

ソンギュは黙って首を振った。

「どうして？」

ソンギュの人差し指が私の唇に当てられた

また、来るから

ソンギュがそう言うときの
または
いつになるのかわからないことを私は知っている。