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伏見サンは自称秘密主義である。

というか、謎である。



初めて会った時に話した最初の話題が好きなタイプで、何故か盛り上がったし、そこで最初に知った情報は、いつも面白くないテレビを見ながらお酒をチビチビ飲む独身生活が苦痛だと言う事。

初対面でのノリで、嗚呼、話しやすいなと思った。


第一印象はそんな感じ。

そこからはよく分からない。人柄は着々と理解してると思っているが、何分情報が少ないもので時間がかかる。

外れのピース(ノイズ)ばかりが増えていき、肝心の情報は虫食いで、なんとも不恰好なパズルになっている状態だ。



狐面じゃ、何も見えない。


真ん中がぽっかり空いていて、見せてくれない。隠しているのは見せたくないからだろうし、その気持ちは分かるから無理には見ないけど。



「……なんやー、急にじっと見詰めてきて。晴厶君のえっ─」


言い終わる前に伏見サンの金の的へと、足をフルスイング。

当たる前に理解した、──クリティカルだ。



「〜〜〜っ、い"、ぃ"っだあぁ"“〜!! 晴厶君の阿保! 俺が伏見和子ちゃんになったらどうすんねん!」

「嫁にも婿にも行けないんですし、関係ないのではないですね」

「断言やめてくれへん?? もう、激おこぷんぷん丸超えて激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリームKazunariフォーエバーやからな〜!」

「ダサい」

「そのシンプルな一言がいっちゃん心抉るの知っとった?」

「そーですね、知ってますん」

「だーかーらぁー、どっちやねーーん!」



明るく人当たりがよく、偶にウザくて……絵に描いたような中心人物(ムードメーカー)であり、かなりの世話焼きでノリが軽いが所謂やる時はやる男。



人は誰しも裏表がある。表面上という言葉があるのだから、表が他人に見せる顔。裏が自分に見せる顔。


けど、伏見サンの場合は裏表とか関係ないと思う。
はぐらかしているのだ、のらりくらりと。質問をしても論点をいつの間にかすり替えているみたいに、それを気付かせないみたいに、勘違いで満足させるみたいに……そう、




狐に、化かされたみたいに──。






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作者名:シロツメココロ | 作成日時:2024年3月19日 14時

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