検索窓
今日:3 hit、昨日:31 hit、合計:1,750 hit

続き ページ19

𖤣𖥧𖥣𖡡𖥧𖤣





「『ぁ"、ぁ、───ッ"、──。』」



君は泣き声が嫌いだから、口を開いたままに涙を流す。


こうしたら静かに泣ける。日常の中で身に付いた知識だった。



【遠日先輩、大丈夫ー? 可哀想だね、つらいねー。】


そんな(おれ)の頭を、君は嬉しそうに撫でるから、



撫でる時の力加減も


見開かれた瞳孔も


撫でるのをやめて繰り返す位置も


生唾を呑み込んで上下するタイミングも



──君の体温も鼓動も呼吸も全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部、理解するための材料で、



嗚呼、嬉しいな。撫でられるのは好きだ、これでまた一歩、君の理解に近付ける。



ほんのちょっぴり、(ぼく)の夢に酷似した眩暈がして、すぐに頭から追い出して──死ぬのと聞いてくる君に集中する。


死なない。君と仲良くなるまで、死なない。



そんな(おれ)を見て、君は可笑しいと笑う。


嗚呼、そうさ(おれ)は可笑しいんだ。嗚呼、嗚呼! もっと撫でてくれ、撫でないでくれ! 撫でてくれよ、やめてくれよ!



嗚呼、嗚呼、嗚呼──。



「────、」

無意識ににへらと笑った(ぼく)を感じて、恥じて、




もう限界かもと君の(おれ)を撫でている腕の裾を掴んだ。





「─ぁ"ヨ──、ぐん"、──、ァ"おれね"、なか"ョく、な──」





カヨくん、俺ね、仲良くなりたい。




そんな負け犬の遠吠えを最後に、(ぼく)は深い闇の中に意識が堕ちてしまった。










(おれ)は心惹かれている。





喉を轢かれるような痛みを抱えた君に、(おれ)は惹かれた。





そんな(おれ)に、君は引いている。




──轢かれて惹かれて引かれて、(おれ)は幾度と繰り返すのだ。






嗚呼、そんな君を理解したい!






𖤣𖥧𖥣𖡡𖥧𖤣

続く お気に入り登録で更新チェックしよう!

最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している



←▼コエを嫌う君にヒかれている。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (13 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
6人がお気に入り
設定タグ:宮城高専
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

かくも。(プロフ) - CS確認いたしました。不備等ございませんでしたので、受理させていただきます。他のお子様との関係組みへお進みください。これからも当企画をよろしくお願いいたします。 (2月6日 23時) (レス) id: 241dcc5003 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:シロツメココロ | 作成日時:2024年2月6日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。