【三重高専】重ね重ね、彩りと傘【イラスト】

27歳、ほろよいSS 追記あり ページ19

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酒を飲みながら、ワイワイと騒がしいみんなを見る。


みーんな、笑ってる。心の底から楽しそうに。



そりゃそうだ、10年前に闇を抱えていた奴は、10年前に救われたのだ。

これは、壁を乗り越えた先で──または、その頂上から大海を見渡した者の笑みである。

傘屋クンがわざわざ世話を焼いただけはある。みんな、大人になれたのだ。





何度かの未遂をした、喉を触る。


タートルネック越しにでも、生きている熱さを感じた。





みーんな、笑ってる。心の底から楽しそうに。



そりゃそうだ、10年前に闇を抱えていた奴は、10年前に救われたのだ。

みんな前を向いている。希望に向かって歩を進めている。




それ故に、なんで俺は救われてないんだろう、と答えが分かりきった疑問が口から出そうになった。


そんなの、まだ傘が壊れて(救われて)ないからに決まってるのにな。



バタフライエフェクトを信じてる。色んな所に行って、色んな人に話しかけた。

競馬なんかも行ったけれど、記憶がなかった。対策されてて後輩の優秀さに思わず乾いた笑いが出た。


実家にも忍び込んだ。相変わらず、傘は綺麗に保管されていた。10年後はもう少しだけボロっちい。



これが、蝶の羽ばたきで灰のように崩れればいいのに。



そしたら、俺はこの傘を飲む。



俺だけに効く、安楽のための薬。





生きている熱い喉を、冷ましてくれるならば、もう、俺は──




「んー……なぁー、反転術式で酔いって治せるかぁ？ そろそろ保つのきつい！」



酒に、俺は人並みに弱い。


なんというか、人がいる空間で飲むと弱い。この場の空気に悪酔いしてしまう。



この熱を冷やしたい、この喉に、何か冷たいモノが通ればいいのに。

そうしたら、俺は救われる気がする。





俺はそんな事を思いながら酔いから覚めた。




〜 〜 〜 〜


この一つの未来な傘屋くん、なんか元気ないですね。

傘屋くんが救われるためには、ナニカを喉に流しこんで「一緒に生きてやる」って胸ぐら掴んでビンタしたら(例えばの話ですが、叱るのは合ってます)救われるでしょうね。


【追記】

傘屋クンゲームをやってたのに終わっちゃった…って人がいたので、これはオマケ問題です！

やったら問答無用で懐くし、めちゃくちゃ心開くよ！！


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