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「あー、ねみー」
隣で雅紀が大きなあくびと伸びをした。
「私も」
「課題は終わんねぇし、部活はハードだし」
「俺も」
次に反対隣で潤が溜息混じりにそう言った。
カチカチカチと潤の押す自転車のチェーンが鳴る。
彼は入学祝いに買ってもらったロードレーサーで通学している。
いつもは朝練終わりに誰よりも先に教室に着いているはずの潤が今日は一緒に歩いている。
「あれ？松潤、朝練は？」
「今日はサッカー部が一面使うらしいから休み。つーかやばくね？ 朝から一面って」
「えっ、マジ！？櫻井先生気合い入りすぎ」
潤は野球部(坊主じゃないけどね)、雅紀はバスケ部。
バスケ部は今日の朝練は体育館設営の日だから休みらしい。
2人とも毎日放課後は部活に追われて、遊ぶ暇なんてないくらい。
今ここにいないカオリは今日は寝坊したらしい。 “やらいいまおした” なんて誤字だらけのLINEが入ってた。 多分 “やばい今起きた” なんだと思う。
「はい、おはよう」
そう言って校門で待ち構える2人の先生たち。
二宮先生に教頭先生。
二宮先生はあんな風に見えて生徒指導の先生。
厳しいと噂がたっている。
「あー、ニノちゃんおはよ〜」
「おー、お前そんな口きいていいんだな？顧問の藤本先生に言うぞ？」
“あー待って待って！それだけは勘弁して！” と慌てふためく雅紀を置いて潤と私は校舎に向かった。
「懲りねぇなあいつ(笑)」
「ねー。その呼び方やめなって何回も言ってるのに」
あの2人のやりとりも今ではいつものことになっている。
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作者名：わたたん | 作成日時：2018年10月8日 0時
