７ ページ7
.
2年になってから1ヶ月くらい経った。
校庭の桜も葉桜を通り越してもうきちんと葉っぱをつけた。綺麗な緑が眩しいくらい。
「be able to〜 は 〜できる の意味。同意語として他に何があるでしょう、か」
カツカツと櫻井先生が黒板に文字を書く音だけが教室に響く。
あー、櫻井先生かっこいいなあ あんな人彼氏だったら最高だなあ 親切だし
「じゃあ、A」
「…っはい」
「わかるか？」
「えっと、can… ？」
「正解。よく出来ました。その他には…」
ふぅ と安堵の溜息。
教室の端の方に座ってる潤が私の焦りようを見てクスクス笑ってる。
私はムッと顔をしかめ、バカにしてくる彼を睨み返した。
風が教室を吹き抜けた。
あー、あったかくて気持ちいい。
ふと窓の外に目をやると校庭を挟んで反対側のある教室からふわりと煙が舞った。
えっ、火事…？
トントンと前に座るカオリの肩を叩き、声を潜めて話しかけた。
「ねぇ、カオリ」
「なに？」
「あそこ見て、資料室」
「…ん？」
「煙出てる」
「はあ？何言ってんの、もう授業中にドッキリやめてよ(笑)」
「ちーがうんだって、ほんと！ねぇ」
「うるさいぞAー、また当てられたいんだな？」
「…違います、すみません」
…やっぱりバレるのは私だけ。
櫻井先生の背中には目でも付いてるのか、黒板に向かっているのになんで私ってわかるの…
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 185人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わたたん | 作成日時：2018年10月8日 0時
