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「あ…」
教室の掲示板
『数学 補習の連絡
相葉雅紀
AA
以上２名は○○日放課後に2-1の教室に集合すること。』
「あっちゃー、俺補習だって。…あれっ、Aもじゃん！？」
掲示板の前で立ち尽くす私の肩に肘を置いて “ドンマイドンマイ” って笑いながら言う雅紀。
この前の定期試験の点数が良くなかった人が補習に呼ばれる。
やっぱダメだったかぁ
「藤本先生に言われちゃうんじゃない？(笑)」
「それはヤバい。次はマジで髪の毛イかれちゃう」
バスケ部はテストで成績が良くないと罰として坊主にされちゃうらしい。
今までは先生を言い包めて逃れてきたらしいけど、今回はそうも行かないかもしれないなんて隣で慌ててる。
「やだよー、俺が坊主はキツいよ 見れたもんじゃないって絶対」
「大丈夫だって、雅紀カッコいいんだから似合うよきっと」
「いやキツいだろ〜 つか、慰めるのやめろよ本当にするみたいじゃんか！」
「ふふ、ごめんごめん(笑)」
「俺は絶対しないよ 絶対説得してやる」
「はあ、俺のクラスの代表が2人揃って補習か… 情けねぇわ」
掲示板前で騒ぐ私たちの後ろに出席簿を抱えて、腕を組む先生が呆れ顔で言う。
「あー、先生！ね、藤本先生には内緒にしてて！お願い」
「お、わかったじゃあ黙っといてやる」
「えっ！マジ！？」
「ってなるかバカ」
出席簿で雅紀の頭を軽く叩いた。
“痛ってぇ！” と大袈裟に騒ぐ雅紀を見てケラケラ笑っていると先生は私の頭を掴んで少し屈んで、
「お前もだからな」
と言った。
肩がキュッと竦んだ。
あれ…？何これ、変な感じ。
可笑しな感情が浮かんで、私はブンブンと頭を振った。
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作者名：わたたん | 作成日時：2018年10月8日 0時
