１１ ページ11
.
「角ABC＝θとすると、余弦定理よりACの二乗＝3の二乗＋√3ー…」
二宮先生の数学の授業。
私は数学が一番苦手で、全く授業について行けない。
今も先生が前で言ってることなんてちんぷんかんぷんだし、午後の授業だから眠くなってくる始末。
「cosθ＝ー6分の√3、したがって x＝AD＝2」
カツンッ と黒板とチョークが触れて先生がゆっくり振り向いた。
茶色い目に、高くスッと通った鼻筋なんかを見てたらかっこいいなって不意に思ってしまった。
ブンブンと頭を左右に振った。
「…やば」
「なに、どうした」
「今先生のことかっこいいって思っちゃった」
「ええ、Aが？珍しい(笑)」
苦手だと言っていた二宮先生をかっこいいと思うなんておかしな話。
小さく笑いが溢れ、“可笑しいよね(笑)” と言った。
「大問2、4、5」
先生がそう言った瞬間みんながパラパラとページをめくってペンでマークしていく
「これは試験出すから勉強しておくように」
そう先生が言い終わった時、チャイムが鳴った。
そういえば2年になって初めての試験まであと少しだった。
先生は “俺は落とすつもりねぇから。 単位落とされたら俺が面倒なんだよ” って少し前に言ってた。
私はほとんど問題教えちゃうの、先生としてどうかと思うんだけどね。
「ね、一緒に勉強しよ」
雅紀がカオリと私の席まで来た。
彼は “今日の放課後教室に残って一緒に勉強しよう” と言う。
放課後の部活動は試験の1週間前になると休みになる。
「いいね、じゃあ潤くんも誘って4人でしようよ」
「お、カオリちゃん頭良い〜 松潤、今日放課後居残りな〜」
「はあ？なんでだよ」
「居残りって(笑) 相葉くんの言い方ね(笑)」
知らない間に私たち4人でいることは当たり前になってきていた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 185人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わたたん | 作成日時：2018年10月8日 0時
