工藤新一の兄弟(仮) ７ (ページ48)

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蘭ちゃんがさっきと同じように私の目をジッと見る。たださっきと違うのは見つめてくる表情。その表情に私は、蘭ちゃんは確信してると感じた。

コナンの正体が新一だと…。

「蘭、ちゃん…」
「…Aちゃんは知ってるんでしょ？ねえ、Aちゃん…」

知ってる…。知ってるよ…。新一がコナンになった理由も、新一が蘭ちゃん家の探偵事務所に居てる意味も、蘭ちゃんが…新一を待ち続けてるって事も…。

でも、ダメだ。黒ずくめの組織、ジンとウォッカを目撃した時の、あの人達がした事を思い出せ！全てを消した。証拠も手がかりも何もかも消したんだ！

…落ち着け。新一やママの様に出来ないと思う。けど、今ここで演じないでいつ演じるんだ。

「…必ず」
「え？」
「必ず帰ってくる…。いつか必ず帰ってくるから、新一の事、信じて待っててくれないかな…？」

苦しい…。苦しい…！
私は大切な友達に酷いことをしてる。知ってるのに、分かってるのに、隠して、終いには蘭ちゃんを更に苦しめてしまう頼み事をしている。

でも、でも…！

「…Aちゃんがそんな顔する事ないのよ…」

目元に何かが触れた。見ると蘭ちゃんはハンカチで私の目元を拭いていた。

私、泣いてたんだ…。泣かないようにしてたのに…。