5 ページ27
「は?鼻歌?…あんた音痴じゃない」
『オレじゃねーよ!』
かかってきた電話を取ると新一だった。音痴って言ったら叫ばれた。うるさくて受話器を耳から外した。
からかった事を謝り話を続けた。
「何?この前といい今回といい、どうなってんのよ?」
『オレが聞きてーよ!
…電話かけてもそっけないし…。前みたいに新一!新一!って言わなくなったし…。それに、なんかひっかかんだよ。鼻歌まじりに出かけるうれしそーな仕草が…。
A何か知らねーか?』
「…あんたが蘭ちゃんの事、大切で大好きなのが良く分かった」
なんて言ったらまた受話器を外すくらいの大声で『んなわけねーだろ!バーロー!!』って。耳から離してるのに聞こえるって、やばいね。
いやでもだってねー?そう思わないで何を思えと?
「蘭ちゃんが鼻歌まじりに…」
出かける所と言う前に、あっ…と思った。もしそれだとしたらこれは言っちゃダメなやつだ。特に新一には。
「あーごめん。分かんない」
『そうか…。
分かったありがとな。最近寒くなってきてっから温かくしてろよ!いーな!』
「うん。分かってるよ、ありがとね」
そう言って電話を切った。
そう、寒くなってきたのだ。そして蘭ちゃんの鼻歌まじりで出かける嬉しい事…。さらに前に一緒に買い物に行った店で買った毛糸。あの時同じ色の毛糸を何個も買っていた。さらに蘭ちゃんの性格。それらを踏まえて考えられるのは…プレゼント。
出かけ先は恐らく母親の英理さんがいる妃法律事務所。蘭ちゃんの鼻歌がその証拠。そこから紐解いていくと、寒くなってきたのでプレゼントとして毛糸を購入。かなりの量を買ってたので恐らく作ってるのはセーター。蘭ちゃんは家庭的で優しいからね。
でも…一つ気になる点が…。
37人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ウォーカー | 作成日時:2018年4月15日 10時