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「なるほど…。園子さんが車の中で寝ている間に誰かが車の鍵を開け、サイドブレーキを解除して、この緩やかな坂道からガケ下に車を転落させたというわけか…」
「ええ…海に潜って車を調べたら、サイドブレーキは下りていたそうですし…路上でこんな物も見つかっていますし…」
警察に連絡すると横溝刑事が来た。こうなった時の説明や、新一が拾ったロック開けの道具から状況を整理した。
横溝刑事が園子ちゃんに車の周りに不審人物を見かけなかったか聞いてるが多分園子ちゃんは、ぐっすり眠っていたと思う。
チラッと旅館の息子であるあの人を見るけど、犯人はあの人ではない。
車が動き出した時あの人は既に店内に居た。もしあの人が車のドアをこじ開け、サイドブレーキを解除してからレストランに来たのなら、入口から見られてるはず。店の人に聞いたらレストランの裏口は鍵が掛かってたっていうし…。
犯人…と言っていいか自信が無いが目星は付いてる人がいる。
ただ分からないのは一つだけ…。どうしてあの人は、そこまで…。
「Aちゃん!」
「え?」
「大丈夫?具合でも悪いの?」
「ううん、大丈夫だよ。あれ?どこ行くの?」
「ああ…。園子が車に乗りたくないって。ほら…さっきのアレで…。
それで警察署まで歩く事にしたのよ。気分直しも兼ねて」
「そ、そうなんだ…」
正直、車で向かった方がいいんだけど園子ちゃんの事を考えると歩くしかないか…。
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作者名:ウォーカー | 作成日時:2018年4月15日 10時