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「ふー…。
な!料理は抜群だっただろ!」
「はいとっても!」
繁盛し直した理由も分かる。店外の海、店内の雰囲気、店員さんの人当たり、そして料理が美味しい。これで繁盛しない方がおかしい。
満足して食後に頼んだミルクティーを飲んでると、旅館の息子であるあの人が出てきた。
「あなたもよくここへ来るんですか?」
「いや、今日が初めてです…。
ところで、あの茶髪の子はどうしたんですか?さっきから姿が見えませんが…」
「ああ園子なら車の中で…」
窓から外を見ると驚いた。停めていた車が動いてるからだ。
すぐに席から立ち店の入口へ向かった。車が進んでる先はガケだ。急がないと園子ちゃんが…!
だが急いでいたものだから店の人に勘定の事で足止めされた。車へ向かえたのは蘭ちゃんと新一だけ。
「園子ちゃん…!
…え?」
外を見てると蘭ちゃんが車に付いてる棒を支えに体ごと振り上げていた。その勢いを利用してガラスをぶち抜いた。
「えー…蘭ちゃん、すご…」
その言葉しか出てこなかった。
その後は園子ちゃんを抱えて車から離れた。車がガケに落ちるまでは残り数秒だった。車は真っ直ぐガードレールを突き破り、ガケから落ち海の中で燃え上がった。
あと少し遅ければ、園子ちゃんは…。
そんなゾッとするような事を思ったが直ぐに首を横に振り払い新一、蘭ちゃん、園子ちゃんがいる所に向かった。
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作者名:ウォーカー | 作成日時:2018年4月15日 10時